[34] ああ卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう

この日はチワワさんと同じシフトになる最後の日だ。かといって別に何も変わったことがあるはずもなく、いつも通りに指示を受けていつも通りに売り場に出ていつも通りに仕事をこなす。
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自 「お、おつかれさまです」

自 「は、はい」
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自分はこの日ラストまでのシフトだった。途中で上がるチワワさんが、バックヤードにいた自分のところまできてわざわざ挨拶をしてくれた。
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チ 「自分さん、今日で一緒に仕事をするのは最後になります。いままでお世話になりました」

自 「ありがとうございました・・・」
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さすがに泣いてはいないと思うけど、うつむいたまま消え入りそうな声でそう言って、ツヤとハリしかないキレイな髪の毛を垂らしてバックヤードを出て行った。
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向こうからしてみれば、最後の挨拶なんかしてもしなくてもいいであろう底辺アルバイトにも、おそらく他の人とかわす挨拶と同じように最後まで変わらない態度で接してくれた。やっぱりこの人は出来た人間だと思うし、人の上に立つに値する人だと思う。
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自分は正社員で働いた事が人生で6年ほどあるが、社員、アルバイトに関わらずこの人の下で働けるのは素直に羨ましいと思う。
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チワワさんは、この店舗に3年ほどいたそうで今度はリーダーに昇格して他県の店舗に栄転することになる。新しく人に出会う事は傷つく事も多いけど、いい出会いは人生を一気に楽しくもすると思う。
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いい人にはいい人が集まるし、悪い人には悪い人が集まる可能性が高い。
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マチルダさ～～～ん！
死んだわけじゃないけど（笑）
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