残業学を読み終えた。
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残業は「集中」して「感染」して「依存」して「遺伝」する特徴を持っているそうだ。
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長期間働くためには、長時間働き続けないようにしなくてはならない。
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「景気が良いときは残業し、悪いときは残業を減らす」といった形で、人員の代わりに残業時間を調整用のバッファとして活用することで外部状況の変化に対応してきた。
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最も残業時間を増やしていたのは「突発的な業務が頻繁に発生する」職務で、その後には「仕事の相互依存性が高い」「社外関係者、顧客とのやり取りが多い」が続き、人との関わりが多い職種に残業が生まれやすい。(介護福祉士、ヘルパーが一番多い)
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長時間労働によって「フロー」や「幸福感」を感じられる状態は一種の依存症。
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一番高い評価を得られるべきは「残業なし、成果あり」だが努力信仰の下では「残業あり、成果あり」がより高く評価される。また「残業なし、成果なし」よりも「残業あり、成果なし」のほうが同じく高く評価される。
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[多元的無知] 「自分はAだと思っているが、自分以外の人は皆Bだと思っている」と予期してBのほうに自分の行動を合わせてしまうこと。
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どんな個人特性よりも残業時間を増やしていたのは、個人が「残業代を前提をして家計を組み立てている」意識を持っているかどうか。
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同じ組織に埋没し、残業に「麻痺」して視野を狭めてしまうような働き方は、この先の長い仕事人生に耐えうるだけの幅を持つ知恵とスキルと経験を身につけるチャンスを逸し続けることになる。
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テクノロジーの進歩が無駄な会議を増やしている。
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*以上引用です
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自分も新卒で就職した会社に正社員で4年間働いていた。当時は分煙という概念がなくオフィスがタバコの煙で真白で、パワハラ、セクハラなんて言葉も生まれて無い時代だ。
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幸い上場企業だけあって、管理職でない自分のようなヒラ従業員はサービス残業はなかったが、残業自体は最高で月80時間ほどした記憶がある。
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毎日が家と会社の往復で終わっていった。
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課長は片道1時間の通勤距離をかけて早朝から誰よりも早く出社して、帰宅するのは一番最後という感じで、それを誇りであるかのように話す。
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そういう上司の姿を見て、若いなりにぼんやりながらもこんな働きかたで一度しかない自分の人生を台無しにしたくないと強く思ったんだよね。
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今でこそ若い世代は仕事よりプライベートを重視したい人が増えているそうだけど、当時はまだまだ少数派な考え方で声にするのも憚られる雰囲気があった。それに比べれば今の時代はいいなと思うよ。
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もちろん、現実はお金がないと生活できないんで少しでも稼ごうと残業をして結果長時間労働になってしまうのも分かる。結婚して家庭を持っている人なら尚更だろう。
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実際、従業員の4割が残業代を当てにして家計に組み込んでいるそうだ。
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著者の目的は「残業が常態化している企業や個人を何とかしたい」ということだと思うけど、もし自分が日々残業してたら、この本を読む時間なんて捻出できてないだろうな。
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