民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代

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「民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代」を読み終えた。
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[仁政イデオロギー] 領主は百姓の生業維持を保証する責務があり、そうした仁政を施す領主に対して百姓は年貢をきちんと納めるべきという認識
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自らの特権の剥奪も含む、得体の知れない奇怪な世界が到来するのに際して新しい権力機構に暴力が向けられ、平等を希求した被差別部落の人々へも殺害、放火を含めた制裁が行われたのである。
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自らの力では何ともできない苦しい現実世界を生きていると、そこから一挙に開放されたいという強い衝動が生まれる。
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流言をもとに虐殺が行われただけではなく、虐殺がこのように殺されるくらいだから悪いことをしたに違いないという真実味を流言に付与しさらなる虐殺が生み出される。
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暴力という、日頃抑圧されている行動に一歩踏みだすと、人々の可能な幅が急速に広がり日常では明確に意識されていない願望や衝動が噴出する。
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民衆暴力を否認するはずの国家が、自らの暴力の正当性を民衆に委譲し、朝鮮人への暴力を黙認したのである。
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以上引用です
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感想は・・・今はいい時代だ。
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月並みな感想だが、少なくとも野蛮で不潔で言論の自由もなく、裸体や半身を出して道路を歩いて汲み取った糞尿をふたなしで運んで道路で大声を上げていた時代よりは今のほうがマシだろう。
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今の日本ではほぼ考えられないが、過去に民衆がどういう過程で暴力に至ったのかがよく分かる。いつの時代も大きな変化やパラダイムシフトは恐怖で不安を掻き立てるのだ。
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国家やエリート層がプロパガンダのほら貝を鳴らしながら暴走して、あとは「右へ倣え」で全員一方向へと突き進む。そしてゲームが終わった後は東京裁判と同様「勝者の論理」で裁かれると。
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つまるところ大東亜戦争のロジックだ(こちらが後だけど)
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日本人は、普段はルールや秩序を守って和を乱すことを良しとしない真面目な国民性だ。自分は日本人だし、日本人のそういう気質がとても好きだ。反面、だからこそ爆発すると恐ろしくもあると思う。
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社会は、情報が少なすぎても多すぎてもうまく機能しないのかなと。やはり大事なのは「質」で、それを処理する「人」の問題じゃないかな。
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歴史の勉強にもなる本。エスタブリッシュメント側と虐げられる側、両者の視点からバランス良く書かれている良書です。
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興味のある方はどうぞー

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