「GLOBOTICS(グロボティクス) グローバル化+ロボット化がもたらす大激変」を読み終えた。
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GLOBOTICS(グロボティクス)とは、遠隔移民(テレマイグランツ)の形でのグローバリゼーションとホワイトカラーロボットの形での認知コンピューターを合わせた造語だ。
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いわゆる次世代型の「自動化」と「グローバル化」で、将来的にはかなり強力な破壊的コンビネーションとなるようだ。
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戦後の30年は、経済の奇跡そのものだった。その30年をうまく乗り切るのに必要なものは、高卒の資格と働く意欲だけだった。
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大転換期に、生産の基本となる要素は土地から資本へ移ったが、第二の大転換では資本から知識に移った。
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新バージョンの AlphaGo Zero は、たった40日間、自身と対局しただけで当時の世界最強の囲碁プレーヤー AlphaGo Master を打ち破ってしまった。
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AIは未知のパターンの識別が得意ではない。AlphaGo Master チームは碁盤の目が標準的な19x19マスではなく、29x29マス四方に変えただけでAIは使いものにならなかった。
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Auto ML は機械学習のアルゴリズムをどう設計するかをコンピューター自身が学習する機会学習プログラムだ。いわばロボットを作るロボット、少なくとも人間がロボットを作るのを助けるロボットといえる。
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機械翻訳とは、海外の有能な人材が皆、まもなく英語をはじめフランス語やドイツ語、日本語やスペイン語といった豊かな国の言葉を遠隔移民として十分に話せるようになり、ある種の仕事をこなすようになるということだ。
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コミュニケーションの次の段階は「ホログラフィック・テレプレゼンス」だ。リアルタイムで3Dの映像を映し出し、遠隔地の人がすぐ隣にいるかのように感じられる技術だ。
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無くなるのは仕事であって職業ではない。
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総コストが5万ドルの国内のフルタイムの労働者は、海外の同等の労働者に2万ドルで代替えできるが、デジタルワーカーは同じ業務を5,000ドルでこなす。
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出来が悪いのに時給15ドルもとる従業員を一人雇うより、1台3万5000ドルのロボットアームを買うほうが安上がりだ。
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[スキルのねじれ] Watson は専門性が高く高額報酬を得ているガンの専門医を代替えすることになるが、平均的な医師には優れたツールなるようなこと。
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代替えされる労働者自身が、ロボットに代替えする方法を教えることになる。
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グロボットの進行を遅らせる最も分かりやすい方法は、労働者の解雇を難しく時間がかかりコストがかかるものすることである。
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建築の設計であれ、処方薬であれ、アート作品であれ、何かを決めるとき、人は何を決めるかだけでなく「なぜ」それに決まったのかを知りたいものだ。
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以上引用です
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感想は・・・おれのアルバイトは大丈夫だろうか(笑)
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色々なエピソードが書いてあるが、その中でも機械翻訳の技術向上が大きなブレイクスルーだと感じた。どれだけ有能でスキルがある人でも言葉が通じないとどうにもならないもんね。
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これまでは皮肉にも言葉の壁のおかげでグローバル化に時間がかかっていたということだ。ただこれからは高度な機械翻訳の登場で、遠隔移民が安い賃金で先進国のそこそこの仕事を代替えしてしまう可能性が高まる。
ちなみにグーグルは人を使って機械翻訳の出来を0点(意味不明)から6点(完璧)まで評価していて、人工知能で訓練されたグーグル翻訳の点数は、2015年時点で3.6点だったが2016年には平均的な翻訳者の5.1点に並ぶ5点をつけたそうだ。
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スーパーのバイトも安泰ではなさそうだ(笑)
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あとこの本の良かったところは、次の大転換の先にはどんな社会になりそうかを過去の歴史と出来る限りの知見で予想しているところだ。
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第一部は、この手の本には定番の大転換の歴史なので知っている人は飛ばしてもいい。第6章と第8章の労働者の反発とシェルタリズムが特に興味深かった。
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「パラノイアだけが生き残る」「限界費用ゼロ社会」「RPAの威力」あたりを読んでおくとより一層面白く読めると思います。
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