「推し、燃ゆ」を読み終えた。
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タイトルが「推し、燃ゆ」って・・・もうそれだけで読んでみたくなった(笑)自分にとってはラジオパーソナリティのユキ・ラインハートさんや麻雀プロの白鳥翔さんくらいのインパクトだった。
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推しは命にかかわるからね。
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病めるときも健やかなるときも推しを推す。
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愚問だった。理由なんてあるはずがない。存在が好きだから、顔、踊り、歌、口調、性格、身のこなし、推しにまつわる諸々が好きになってくる。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、の逆だ。
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携帯やテレビ画面には、あるいはステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない、一定のへだたりがある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくれるということがあるように思う。
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体力やお金や時間、自分のもつものを切り捨てて何かに打ち込む。そのことが、自分自身を浄化するようなことがある。つらさと引き換えに何かに注ぎ込み続けるうちに、そこに自分の存在価値があるという気がしてくる。
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家というものは、乱暴に引かれた椅子や扉の音が堆積し、歯軋りや小言が漏れ落ち続けることで、埃が溜まり黴(かび)が生えて少しずつ古びていくものなのかもしれない。
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以上引用です
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感想は・・・推すしかない!(笑)
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著者は若干21才らしく、小説の中にもSNSやインスタグラム、その生々しいコメントのやり取りが随所に出てくる。
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そんな感じで内容は「令和」だが文章はとても20代の人が書いたものとは思えなかった。重力に逆らえない感じでグッと引き込まれてしまった。
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いわゆる「推し」にまつわるお話で、自分のようなおじさんには「知らない世界」を壁越しにチラッとのぞいてる感もあった。
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誰にだって夢見る相手が欲しいものだ。
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わかる、わかるよ(笑)
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全身全霊をかけて打ち込めるものがあって、それで幸せならいいんじゃないかなと。ただラストはもしかして太宰治のように入水自殺するのかなーと少なからず思ってしまった。
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誰か推しがいる人はより感情移入して共感できるんじゃないかな。ページ数は130ページほどなどですらすら読めると思います。
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一気に読むべし!(笑)
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興味のある方はどうぞー
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