「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読み終えた。
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著者はイギリス在住の日本人で、アイルランド人の旦那さんとその子供との親子の成長物語だ。ヤフーのノンフィクション大賞にノミネートされていて知った本。
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老人はすべてを信じる。中年はすべてを疑う。若者はすべてを知っている。子どもはすべてにぶち当たる。
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「ダニエルからひどいことを言われた黒人の子とか、坂の上の公営団地に住んでいる子たちとかはいじめに参加していない。やっているのはみんな、何も言われたこともされたこともない関係ない子たちだよ。それが一番気持ち悪い」
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以上引用です。
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感想は、イギリスの教育、価値観の変化、差別や格差やポリティカルコレクトネスまで出てくる思っていたよりかなり真面目な本でイギリスのリアルな多様性社会が分かる。
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イギリスでは人気の高い学校には応募者が殺到するので、定員を超えた場合地方自治体が学校の校門から児童の自宅までの距離を測定し、近い順番に受け入れる。そうした地区の住宅価格は高騰して富者と貧者の住み分けができてソーシャルアパルトヘイトとなるそうだ。
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あとゼロ時間雇用契約の話も出てきて、これは「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」に詳しく書かれている。
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アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した
「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」を読み終えた。
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著者はイギリスのジャーナリストで、自らが実際にイギリス国内でアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシーで就労して働いた体験を赤裸々に描いた本。
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生身の人間のマネージャーはいないと表現したほうが妥当かもしれない。代わりに従業員は、自宅監禁の罪を言い渡された犯罪者のごとく、...
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今のところ日本は「日本人」が多数を占めていて「多様性を大事にしましょう」と呼びかけているレベルだ。
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自分はゼノフォビア(xenophobia)ではないが、グローバル化と多様性が先進国のコンセンサスなら近い将来はイギリスのようになっていくと思った。
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重たい話題を楽しく取り扱っていて、文章も分かりやすくて気軽に読めると思います。「イギリスの肝っ玉母ちゃん」が読みたい人はどうぞ。
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