「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」を読み終えた。
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著者はイギリスのジャーナリストで、自らが実際にイギリス国内でアマゾンの倉庫、訪問介護、コールセンター、ウーバーのタクシーで就労して働いた体験を赤裸々に描いた本。
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生身の人間のマネージャーはいないと表現したほうが妥当かもしれない。代わりに従業員は、自宅監禁の罪を言い渡された犯罪者のごとく、全ての動きを追跡できるハンドヘルド端末の携帯を義務付けられた。
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アマゾン従業員に対してGBM労働組合が行った最近の調査では、次のような結果が出た。
・91%がアマゾンで働くことを友人に勧めたいと思っていない。
・70%が不当に懲罰ポイントを与えられたと感じている。
・89%が自分は利用されていると感じている。
・78%が休憩は短すぎると感じている。
・71%が1日に16キロ以上歩いたと証言。
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イギリスのゼロ時間契約による労働者数は100万人にせまろうとしている。ゼロ時間契約とは「仕事を提供できない期間が発生した場合においても、仕事および賃金を与える義務を負わない」契約のことだ。
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私がはじめようとしていた介護の仕事は、女性の自殺率が最も高い職業だった。
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[アイデンティティ・ポリティクス] エリートを全て排除するのではなく、エリートを「代表者」として調整することを課題とする哲学(会社の経営者が従業員の100倍の給料をもらっていても、人口統計的に適切に割り振られている限り問題ないという考え方)
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貧困層とは、保守派が自らをより優れていることを認識するための小道具として存在する神聖化された集団だった。
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いったん右にスワイプすると、すぐさまオンライン状態になる。そのあとはアルゴリズムから送られてくる指令がなんであれ、受け入れなければならないという圧力にさらされ続ける。
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*以上引用、自分用のメモです
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感想は、誰もがやりたくない仕事は世界共通だ。
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今までアマゾンやウーバーの最先端の技術や仕組みといった「光」の部分を書いた本は何冊か読んだことがあったが、実際にそこで働く人のいわゆる「闇」の部分は詳しくは知らなかった。
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アルゴリズムいうビッグブラザーと何気ないワンクリックに翻弄される、まさに「21世紀の労働者階級の生活」のリアルだ。
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ギグエコノミーとは「フリーランスの単発の仕事によって成り立つ急成長中の労働市場」だそうで、日本でもウーバーイーツやアマゾンフレックスなどかなりそういうサービスは伸びている感じがあるよね。
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テクノロジーの進化で働きたいときに働きたいだけ自由に働く事ができるようになった反面、雇用者側の一挙手一投足も完璧に監視されて雇用の不安定さは増して行く。
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「自由」と思われているが、実際はプラットフォーム企業のアルゴリズムと気まぐれで一晩で生計が成り立たなくなってしまう可能性もあるということだ。大企業なんかでも副業を認めている会社が増えてきているのは「終身雇用は期待しないでね」の裏返しだろう。
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利用者側からすると、一度便利さに慣れてしまったらもう後戻りが効かない。裏側の事情が分かっていても自分はこれからもネットで買い物をし続けて、宅配便で自宅まで届けてもらい続けるだろう。
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訳もとても良くて読みやすかった。オススメの良書です。
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