スピリチュアルズ 「わたし」の謎

読書

「スピリチュアルズ 「わたし」の謎」を読み終えた。
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橘玲さんの新作だ。著者の本は20代の頃からほとんど読んでいる。最近のテーマは専ら「お金や資産」から「心理学と進化論」にシフトしている。
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上級国民/下級国民
「上級国民/下級国民」を読み終えた。 . . 橘さんの新作本。この本で一番伝えたいことは「世界中でマジョリティ(主流派)の分断が進んでいる」ということだろう。 . ■ . 貧困を解消するために最低賃金を引き上げると、経験のない若者を高い賃金で雇わなければならなくなるため若者の雇用にはマイナスの効果を及ぼす。 . 日本のサラリーマンは世界(主要先進国)で一番仕事が嫌...

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スピリチュアルズというのは、心理学でいう「無意識」に「魂」を重ね合わせた言葉だ。脳科学の知見は意識と無意識が対立しているのではなく、じつは「わたし」のほとんどが無意識で意識はその一部でしかないという膨大な知見を積み上げている。
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社会的弱者にグルーピングされるのは多くが非常に神経質な人たちで、恐怖を喚起する広告がきわめて大きな効果を発揮した。
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プロパガンダ
「プロパガンダ」を読み終えた。 . . 初版が出版されたのは1998年で今から約20年ほど前の本らしいが、プロパガンダ(宣伝)の本質が詳細に書かれている良書。この本では「説得」という言葉で置き換えられて使われている箇所が多い。 . ■ . プロパガンダの最終的な目的は、受け手がその立場があたかも自分自身のものであるかのように「自発的」に受け入れるようにすることにある。 ...

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パーソナリティも知能と同じく(近似的に)正規分布すると考えられている。
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外向的か内向的かは刺激への感度の違いで、それがリスクへの志向性のちがいに結びつく。外向的な性格は成功できるというのもサバイバルバイアス(特殊な事例の一般化)だ。
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内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法
「内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法」を読み終えた。 . . 著者のスーザン・ケインさんは、名著「Quiet 内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力」の作者で若いときに何度も読んで力をもらった本だ。 パラパラとページをめくっていくと・・・「この本は前作を再編集した縮約版です」とあった、マジかー(笑)こういうのは本屋で立ち読みすれば分かるけどネットでは分かりにくいよ...

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人類学者のヘレン・フィッシャーは、感染症から子孫を守ることを考えれば、子供たちが遺伝的多様性に富んでいる方がずっと有利だ(同じ遺伝子を共有していると一つのウイルスで全員が死んでしまう恐れがある)として「愛は4年で終わるように進化によって設計されている」と主張した。
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依存症が悲劇的なのは、症状が進むにつれて薬物耐性や禁断症状が強まる一方で、得られる多好感が徐々に弱まっていくことだ。
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僕らはそれに抵抗できない
「僕らはそれに抵抗できない」を読み終えた。 . . 依存症と言うとタバコやビールなどの「物質依存」を思い浮かべるが、最新のテクノロジーから現在の依存症である「行動依存」について詳しく書かれている。訳も素晴らしくとても読みやすい。 . プロローグを読んだだけで「次のページをめくりたい衝動に抵抗できない」レベルの良書(笑) . ■ . どれだけハッシュタグをクリックし...
スマホ脳
「スマホ脳」を読み終えた。 . . 著者はスウェーデンの精神科医。前作の「一流の頭脳」(未読)は日本でもべストセラーになったそうで、著者の本はこれが初めてだ。 . . できるだけ長い時間その人の注目を引いておくにはどうすればいい?人間の心理の弱いところを突けばいいんだ。ちょっとばかりドーパミンを注射してあげるんだよ。 ショーン・パーカー フェイスブック元CEO  ....

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うつ病とは「片足でアクセルを、もう片方の足でブレーキを同時に踏んでいるようなもの」だ。(ヘレン・メイバーグ)
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[出版バイアス] 「目立つ研究結果は学術誌に掲載されやすい」ことで、ステレオタイプ脅威がないという研究よりもあるという研究のほうが好まれるので査読に通りやすくなる。
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孤独を意識させると数学的能力、空間把握能力、言語的推論能力などの認知機能が低下することが分かっている。
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厄介なのは「アイデンティティの確立」はヒトが社会化するもっとも重要な作業だが、それは誰かを排除することでしか達成できないことだ。
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オスを一夫一妻にするのは「メイトガードのホルモン」と呼ばれるバソプレシンだ。アメリカハタネズミの脳内にバソプレシン受容体をコードする遺伝子を挿入すると、その遺伝子組み換えされたオスたちは近くに魅力的なメスがいても目もくれず、最初に出会ったメスに忠誠を誓うようになる。
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女と男 なぜわかりあえないのか
「女と男 なぜわかりあえないのか」を読み終えた。 . . 橘玲さんの新作で、週刊文春に連載されていたものを加筆修正してまとめたものだそうだ。昔は経済・金融に関する本が多かったが今は進化論に関係する内容が多い印象だ。 . . ■ . . 男女の友情にはひとつ条件がある。その男が、もっと魅力的な女と性愛関係にあることだ。 . .  女性を主な対象に男同士の恋愛的...

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愛は世界を救うのではなく、愛を強調すると世界はより分断されるのだ。
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[自我消耗] 過度な運動で精根尽きるように、なにかの作業で意志力を消費してしまうと別の課題を与えられたときに意志力を使えなくなること。
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制御系のネットワークを使って報酬系の活動を抑え込もうとしても、その意志力そのものがストレスを生む。食べることを拒絶するのではなく、楽しみはあとにとっておこうと考えた方が食べる量を減らせることを示している。
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知能については年齢とともに遺伝率が上がり、思春期を過ぎると70%を超えることがわかっている。音楽やスポーツの能力も遺伝率が80%近くになる。性格や才能、認知能力から精神疾患に至るまで人生のすべての領域に遺伝がかかわり、その影響は一般に思われているよりもかなり大きい。
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自尊心を養っても学業やキャリアが向上することはなく、それ以外でもなんらポジティブな効果はない。自尊心の高さの利点として実証されていることは、自主性が高まることと機嫌よく過ごせることだ。
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「自分さがし」というのは、突き詰めて考えるなら自分のキャラ(パーソナリティー)とそれに合った物語を創造することだ。おそらくは、人生にそれ以外の意味はないのだろう。
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以上引用です
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感想は・・・大人の自分探しだ。
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この本に書いてあるスピリチュアルは、オカルト的な意味合いではなくほぼ「無意識」という意味で使われている。
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そしてその無意識を色々な視点から科学的に分析して自分のパーソナリティーを探してみようという感じだろうか。
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ちまたに溢れる胡散臭い内容ではない(笑)
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少しこの本にも似ているところがあるかもしれない。
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未来は決まっており、自分の意志など存在しない。
「未来は決まっており、自分の意志など存在しない。」を読み終えた。 . . タイトルに惹かれて購入。著者は心理学者で専門は知覚心理学だそうだ。この作者の本を読むのは初めてだった。 . . ■ . . 意志や意識というのものが後付けで「最も遅く」、身体や脳がそれよりも先んじているということだ。脳、身体の情報が十分に高められ、最後の最後で「意志」で決めたという幻想が生ま...

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ちなみに著者がこの内容を書くきっかけになったのは「SNSでのコミュニケーションや特徴から個人の性格を決定する」技術をアメリカ大統領選で目の当たりにしたからだそうだ。
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SNSのビッグデータをAIに読み込ませるだけで有権者のパーソナリティーが分析できる。10の「いいね!」を見るだけで同僚よりも相手のことがよく分かるようになり、70の「いいね!」で友人のレベルを超え、150の「いいね!」で両親、250の「いいね!」で配偶者のレベルに達する。
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企業はすでに個人のSNSの繋がりを分析して、医療保険の金額や銀行からの融資額を算定しているがもはや性格まで分かる時代が来たらしい。
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そうやってパーソナリティーが分かると、その人に合わせた耳障りのよい記事や広告を流せるようになる。そして世論や選挙までも誘導できるツールになると。
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ただ、心理学に関しては再現性がかなり低いものもあるので全て鵜呑みにはできないとは思う。
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身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質
「身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質」を読み終えた。 . . 「ブラックスワン」や「まぐれ」で有名なタレブさんの新作。この本は勝間(和代)さんの本の紹介動画を見て面白そうだったので購入した。 . . ■ . . 人間は昔から愚かだったが、世界を破滅させるほどの力は持っていなかった。今は持っている。 . . アドバイスが間違っていた場合...

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心理学の研究成果の再現率は4割にも満たず、食生活の指導内容は30年間も脂質恐怖症が続いた末にコロリと変わる。マクロ経済学や金融経済学は、複雑で仰々しい言葉をまといながら、占星術より科学的に劣る。
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自分の性格はどうだろう?
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おそらく内向的でどちらかといえば悲観的。そして同調性は普通で共感力、堅実性は高いほうだと思う。最後の経験への開放性は低いかな。
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加えて口下手で性格が暗い(笑)
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進学や就職で進路に悩んでいる人、自分のパーソナリティーを分析したい人なんかも読んでみるといいかもしれないね。
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最後にもう一つ引用すると
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自分のパーソナリティーに合った人生を設計することだ。自分を知ることが大事なのは、結局、自分がもっているものでなんとかやっていくしかないからだ。
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まさにスヌーピーの言葉だ。
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You play with the cards you're dealt.(配られたカードで勝負するしかない)
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とにかく情報量が多いので頭が疲れると思う。自分は少しずつ読み進めていった。引用されている本も豊富でエレーヌ・フォックスの「脳科学は人格を変えられるか」や「エロティック・キャピタル」も面白いです。
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自分のような著者のファンにとっては「過去の作品と重複しているなー」と感じる箇所もある。それでも面白かったです。

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