身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質

読書

「身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質」を読み終えた。
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「ブラックスワン」や「まぐれ」で有名なタレブさんの新作。この本は勝間(和代)さんの本の紹介動画を見て面白そうだったので購入した。
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人間は昔から愚かだったが、世界を破滅させるほどの力は持っていなかった。今は持っている。
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アドバイスが間違っていた場合の罰則が存在しないかぎり、アドバイスを生業としている人間のアドバイスは真に受けるな。
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一言でいえば、リスク負担の非対象性は不均衡へとつながり、システムを崩壊に導く可能性がある、ということだ。
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遺伝子組み換え食品を食べる人は、遺伝子組み換えでない食品も食べる。だが、逆は成り立たない。つまり、遺伝子組み換え食品を食べないほんのわずかな人々が、地理的にまんべんなく散らばっていれば、全員が遺伝子組み換えでない食品を食べざるをえなくなる(くりこみ群)
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社会における道徳的価値観は、不寛容であるというただ一点の理由だけで、ほかの人々に道徳を押し付けるもっとも不寛容な人によって形成されるのだ。
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脳の各部分(神経細胞など)の働きを理解したところで、脳そのものの働きは永久に理解できない。
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組織的な宗教を運営しているなら、完全な自由は最大の敵だ。また、会社を運営しているなら、従業員に完全な自由を与えるのは最悪の行為だ。
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心理学の研究成果の再現率は4割にも満たず、食生活の指導内容は30年間も脂質恐怖症が続いた末にコロリと変わる。マクロ経済学や金融経済学は、複雑で仰々しい言葉をまといながら、占星術より科学的に劣る。
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知的バカは自分の理解が狭いのかもしれないといは思いもせず、自分の理解できない行動を取る人々を病気に仕立て上げる。ヤツらは人々が自分の最大の利益のために行動するべきだと考えていて、なおかつ自分が人々の利益をわかっていると思い込んでいる。
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動的(エルゴード的)な格差とは、将来や過去の人生すべてを考慮した格差のこと。
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社会の富やGDPの成長は、ある水準を超えるとむしろ害のほうがどんどん大きくなる逆U字型の曲線を描く。
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山に登り、かつバイクに乗り、かつ雑踏をうろつき、かつ自家用小型機を操縦し、かつアブサンを飲み、かつタバコを吸い、かつ木曜の夜にパルクールをすれば、一つひとつの行動は大きな影響を及ぼさないとしても、余命はそうとう縮む。したがって、ある種の低確率の事象に対して脅迫観念を抱くことは、たとえそれが病的に見えたとしても、まったくもって合理的なことなのだ。
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あなたが1回きりの低確率な破滅リスクを冒し、そのリスクを生き抜いたあと、安心してまた1回きりの破滅リスクを冒す、なんてことを続けていれば、いずれ100%の確率で破滅する。1回きりのリスクを冒すのが合理的であれば、もう1回同じリスクを冒すのもまた合理的に見えてしまう。個々のリスクは1000分の1とかいう微小なものでも、そのリスクに対して身をさらす回数が増えていけば、破滅の確立は1へと近づいていく。
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以上引用です
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感想は・・・色んな事が書いてあるが「道徳」の本だと思った。
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宗教、歴史、哲学、経済、金融はもちろん古代ローマ史や寓話などの様々な知識が必要で、自分はこの本をまとめられるくらい頭が良くないし中身が濃すぎて伝えきれない。
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それでも理解できるところだけでも読む価値はある本だ。
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印象的だったのは、くりこみ群、少数決原理、エルゴード性などで「個をどれだけ理解しても全体は理解できない」の件では「生物と無生物のあいだ」を思い出した。
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あと心理学や社会学、自ら身銭を切っていない知的階級やいわゆるエスタブリッシュメント層を名指しでペテン師呼ばわりして痛烈に批判している痛快な本で(笑)まさに自ら身銭を切っているのだ。
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作者いわく、数ある心理学の欠陥は、被験者が実験以外でテールリスクを一切冒さないどころかいかなるリスクも二度と冒さないと仮定している点で、社会科学の損失回避の概念は考察が甘いそうだ。
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「利己的な遺伝子」や「暴力の人類史」(未読だがアマゾンのショッピングカートに入っている)も数学的?統計的に間違っているところがあると批判している。
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一方でエド・ソープは天才だと賞賛していた、この本の著者だ。
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「天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上)」を読み終えた。 . . ゴールデンウイークに読もうと買った本だが、ゲームばかりしてたせいでようやく読み終えた。著者のエドワード・O・ソープは数学者でありヘッジファンドマネージャーで、カジノのブラックジャックからウォール街まで制してきた軌跡を描いた自伝だ。 . ■ . 私たちには助けになるコネもなく、それに私が通った学校は公...

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この本を読んでから少し考え方が変わったなー、やはり色々な本を読むのは大事な事だと思う。興味のある方はどうぞー

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