LIFE SPAN 老いなき世界

読書

「LIFE SPAN 老いなき世界」を読み終えた。
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著者は世界的に有名な科学者、起業家でハーバード大学で遺伝学教授を務めているそうだ。最新の知見から老化と長寿について書かれている。
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巻末にはなんと100ページほどのクレジットが付いていて、全部で600ページもある分厚い本。
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抗酸化物質を多く含む食事が体にいいとすれば、抗酸化作用自体によるものではないことがその後の研究で明らかになった。むしろ、老化を食い止めようとする体の自然な防御メカニズムが抗酸化物質によって刺激され、結果としてフリーラジカルを除去する酵素がより多くつくられることが原因である可能性が高い。
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[エピゲノム] 親から子へと受け継がれる特徴のうち、DNAの文字配列そのものが関わっていないもの。DNAによらないこうした遺伝の特徴をエピジェネティクスと呼ぶ。
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[ホルミシス] 毒が毒にならない程度の量で刺激効果を現すこと。
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サーチュインののたぐいが酷使されること自体が問題というよりは、サーチュインや仲間が家に帰れなくなることが深刻な事態につながる。
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私たちは死亡率を低減させてきたが、罹患率はそこまで下がっていない。
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どれだけ長く生きられるかを左右する決断のうち、一番大きいのは何を食べるかだ。そして大切なのは何を食べるかだけでなく、どう食べるかだ。
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朝食を抜いて遅い昼食をとるものや、週に2~3日はカロリーを75%に減らすものがある。もう少し挑戦したいなら週に2~3日は食物をいっさい摂らないのもいい。
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ブドウにしろほかの植物にしろ、ストレスにさらされているものほどレスベラトロールを多量に生成する。サバイバル回路は動物だけの専売特許ではなく、植物にも備わっている。
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女性が今より10年ほど長く生殖能力を維持し、たとえそれを失ってもまた取り戻せるような世界が、信じがたいスピードで近づきつつあるということだ。
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[ゲノム薬理学] 個人の遺伝子の特徴が薬の作用にどう影響するかを研究する分野
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[老化のメカニズム] 若さ → DNAの損傷 → ゲノムの不安定化 → エピゲノムの混乱 → 細胞のアイデンティティの喪失 → 細胞の老化 → 病気 →死
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知識は足し算ではなく掛け算であり、テクノロジーには相乗作用がある。
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これまでと同様のペースで寿命が一直線に延びていくとしたら、日本で今日生まれた子どもの半数は107歳以上生きて、アメリカの場合は104歳以上だ。
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民主的な世界で新しい価値観を花開かせる要因としては、旧来の見方に頑なにしがみついていた者が世を去ることが一番大きい。
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過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れるものには、人生は短く、不安に満ちている
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結局、ほとんどの人が恐れているのは命を失うことではなく、人間性を失うことなのである。
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1つの病気を食い止めることに前進が見られても、いずれは代わりに別の病気が現れる。しかしながら、老化自体を遅らせれば大きな後遺症を残す病気や命に関わる病気のリスクが、すべて一度に低下することがデータから示唆されている。
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以上引用です
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感想は・・・分厚いが読むしかない!(笑)
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一言で言うなら長寿革命の本だ。サーチュイン遺伝子やレスベラトロールは知っていたが、アンチエイジングはすでに次のフェーズに行っているようだ。
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つまるところ、老化とはひとつの病気で治療できるもので、老化の時計を巻き戻せる時代がすぐ近くにまで来ているということだ。
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老化を遅らせる1つの方法は、人間が持っている7種類あるサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにすることだ。
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日常生活で自分の体に適度なストレス(ホルミシス)を与えることで細胞を損傷させることなくサバイバル回路をオンにできる。
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その一つの方法は低温にさらすことだ。
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すると褐色細胞が活性化されて、結果サーチュイン遺伝子がアクティブになる。雪の降りしきる寒い冬に小学生や女子高生がわざわざ露出の高い恰好をしているのはそういうことだったんだなと(笑)
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ここまでは今までも分かっていたことで、ここからが次のフェーズだ。将来的には細胞のリプログラミングで老化の針を逆回転させれるそうだ。
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たとえば30歳になったら特別な遺伝子操作をしたアデノ随伴ウイルス(AAV)の注射を1週間のうちに3回受ける。この注射を受けた時点では何の変化も起こらない。
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しかし40代半ばくらいになって老化の気配が忍び寄ってきたら、ドキシサイクリンを処方してもらって1ヵ月間服用する。これによってリプロミング遺伝子のスイッチが入るそうだ
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するとそれまでの経験、知識はそのままで30歳の頃に戻る。ちなみに25歳くらいが若返りの終点だそうだ。
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寿命と健康寿命は違う。上にも書いたが、ほとんどの人が恐れているのは死ぬことじゃなくて自分が自分じゃなくなることなんじゃないかな。
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結局、寿命だけを無理やり伸ばしても健康寿命が伸びない限り不幸な人が増えるだけなのかもしれない。
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ちなみに著者は科学者らしく、遺伝子組み換え作物とゲノム編集作物(CRISPR作物)には肯定的だ。正直ここは怖いかなと思った。
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ちなみに今年のノーベル化学賞の受賞者は、このゲノム編集を簡単にできる「CRISPR-Cas9」(クリスパー・キャスナイン)の考案者だったね。
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「テロメアエフェクト」「エピゲノムと生命」「iPS細胞」「ジ・エンド・オブ・イルネス」あたりを読んでおくとより深く読めると思います。
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テロメアエフェクト
テロメアエフェクトを読み終えた。 . . ノーベル医学生理学賞を2009年に共同で受賞したエリザベス・ブラックバーンさんとエリッサ・エペルさんの共著。この著者のツイッターも有益な情報があふれているのでフォローしている。 . テロメアとは染色体の先端部分にある人間の寿命を司っている重要な物質で、加齢とともに短くなってしまう。 . このテロメアは「生命の回数券」とも呼ばれてい...

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遠い未来の話でもなく、多くの場面で多くの人がそうなるのでもなく、全ての人がそうなるならどんな世界になってどんな生き方をするだろうね。
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あ、100歳まで生きたら撃ち殺してくれてもいいわ(笑)
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値段以上の価値がある本。興味のある方はどうぞー

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