「そして、バトンは渡された」を読み終えた。
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著者は瀬尾まいこさんで、2019年の本屋大賞受賞作だ。
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文庫版は巻末に上白石萌音さんの解説があった。これがまた素晴らしい文章でした、はー
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一緒に暮らさなくなった人と、会うことはない。でもどこかにいてくれるのと、どこにもいないのとではまるで違う。血がつながっていようがいまいが、自分の家族を、そばにいてくれた人を亡くすのは何より悲しいことだ。
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「女の子だから好かれなくちゃだめだよ。お年寄りだろうと子どもだろうと、女だろうと男だろうと。人に好かれるかどうかで女は幸せになれるかどうかが決まる」
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友達に無視されたって、勉強をおろそかにするのはよくない。萌絵や史奈はいい友達だけど私の将来を約束してはくれない。
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「俺の会社にもいるいる。自分のことちょっといけてるって思っててさ。自分は好き嫌いを必要以上にはっきり言うくせに、自分は嫌われたくないっていう。いや、嫌われるわけないって思ってるやつ」
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悲しいわけではない。ただ、私たちは本質に触れずうまく暮らしているだけなのかもしれないということが、何かの瞬間に明るみに出るとき、私はどうしようもない気持ちになる。
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あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない。
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手に触れられただけなのに、胸が締めつけられそうで同時に暖かで穏やかな感覚が広がっていく。本当に好きな人はこんなにも簡単にはっきりと分かるのだ。
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「子供は親を選べない」何度か聞いたことがある。親を選べないなんて不幸だという意味だろうけど、親を選ばないといけない場に立つのだって、苦しい。
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「守るべきものができて強くなるとか、自分より大事なものがあるとか、歯の浮くようなセリフ、歌や映画や小説にあふれてるだろう。そういうの、どれも大げさだと思ってたし、いくら恋愛をしたって全然ピンとこなかった。だけど、優子ちゃんが来て分かったよ。自分より大事なものがあるのは幸せだし、自分のためにはできないことも子どものためならできる」
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自分のために生きるって難しいよな。何をしたら自分が満たされるかも分からないんだから。金や勉強や仕事や恋や、どれも正解のようで、どれもどこか違う。
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お父さんやお母さんにパパやママ、どんな呼び名も森宮さんを超えられないよ。
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以上引用です
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感想は・・・良かった。
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今はいろいろな家族形態がある。同性婚や事実婚なんかもそうかもしれないね。
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血縁関係やあるべき家族像を超えた人と人、人対人のつながりだ。
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そんな多様な家族愛に全部持っていかれそうになるけれど、それ以外にもほっこりする場面がたくさんあるんだよね。特に幼少期の優子と大家さんとの件、食堂の山本さんとの場面がとても好きだった。
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森宮さんの一番刺さったところは、優子の成長する過程のイベントの節目節目で1時間だけ有給をとって、美味しい朝食を一緒に食べて見送ってくれるところだった。
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もし娘だったなら「大きくなったらパパと結婚する!」ってここで言うわ(笑)
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あと自分の勝手な優子のイメージは「となりのトトロ」のさつきちゃんだ。完全にあの絵を思い浮かべながら読んでた(笑)
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森宮さんは「店長がバカすぎて」の店長にキャラが少し似ているかなと。
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少し考えてしまったところは、梨花の歴代の旦那さんは、梨花との間に子供が欲しいとは思わなかったのかな。そこはどうなんだろうなー
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あ、早瀬くんのピアノの件は「蜜蜂と遠雷」、泉ヶ原さんの調律のシーンは「鋼と羊の森」を思い出しました。
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結局みんなが幸せならそれでいいし、それが一番なんだろうな。
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興味のある方はどうぞー
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