「スマホ脳」を読み終えた。
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著者はスウェーデンの精神科医。前作の「一流の頭脳」(未読)は日本でもべストセラーになったそうで、著者の本はこれが初めてだ。
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できるだけ長い時間その人の注目を引いておくにはどうすればいい?人間の心理の弱いところを突けばいいんだ。ちょっとばかりドーパミンを注射してあげるんだよ。
ショーン・パーカー フェイスブック元CEO
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うつを引き起こすリスクに影響する遺伝子には、役割が2つある。ひとつは免疫機能をきちんと作動させること。もうひとつは危険や怪我、感染症から距離を置くことだ。後者はその人間をうつにすることで達成される。
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ドーパミンの最も重要な役割は私たちを元気にすることではなく、何に集中するかを選択させることだ。
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報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれでもなくそれに対する期待だ。
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(GAFAのような)企業は行動科学や脳科学の専門家を雇っている。そのアプリが効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存症を実現するためにだ。金儲けという意味で言えば、私たちの脳のハッキングに成功したのは間違いない。
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[注意残余] 脳には切り替え時間が必要で、さっきまでの作業に残っている状態のこと。
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記憶するためには集中しなければならない。そして次の段階で情報を作業記憶に入れる。そこで初めて脳は固定化によって長期記憶を作ることができる。
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写真をとっていない作品はよく覚えていたが、写真はとった作品はそれほど覚えていなかったということだ。
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孤独というのは友達やチャット、着信の数で数値化できるものではない。体感するものだ。
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バカンスに一番珍しい場所へ旅行したのは誰?いちばん友達が多いのは?バスルームに一番高いタイルを貼ったのは?どの「部門」でも勝つのはいつも自分以外の誰かだ。
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運動によって一番改善されたのは知能的な処理速度だ。
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[フリン効果] 世代ごとにIQが高まる現象
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以上引用です
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感想は・・・コンパクトに要点がまとまっている。
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ただ、この手の本を何冊か読んでいる人にはそこまで目新しいことは無いかもしれない。
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新書はハードカバーに比べてどうしてもページ数が少ないので内容が薄くなる。価格面でたくさんの人に読んでもらえるように新書にしたのかなーと読みながら勝手に思っていた。
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スマホは大人なら1日に平均4時間、10代の若者なら4、5時間使っているそうだ。
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自分はパソコン世代なので、スマホで何か作業をする気にはあまりなれない。パソコンを立ち上げてしっかりと椅子に座って大きな画面で作業したいほうだ。いまだにフリック入力が遅いのもある(笑)
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ちなみに自分がスマホで一番使うアプリはラジコだ。よく掃除をしたり洗濯物を干したりしながら聞いている。タイムフリーになっていつでも好きな番組が聞けてとても便利だと思う。次は時計のアラームかな。
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しかしながら、もし自分がデジタルネイティブ世代なら普通に毎日数時間くらい使っているかもしれない。生まれた時代もあるだろう。
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誰もが後で無駄だと思うことに2時間も費やしたくはないが、ちょっとしたドーパミン注射を1日に300回も与えてくれるものに抗うのは難しい。
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スマホの使い過ぎの最大の弊害は「自分の時間を奪うこと」と「集中力が無くなること」だろう。
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長期的に見れば後者の方が恐ろしいかなと。
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この本の内容を深堀りしたい人は、人類の進化なら「サピエンス全史」「利己的な遺伝子」、脳の記憶なら「記憶力を強くする」。
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一生のうちに何人と知り合えるかは「友達の数は何人?」、睡眠なら「スリープレボリューション」、食べ物の依存性なら「フードトラップ」、スマホと学力については「スマホが学力を破壊する」あたりが面白いです。
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「僕らはそれに抵抗できない」を既読の人は読む必要はないと思う。
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製品を開発するのに最善を尽くすのは当然のこと。それが思ってもみないような悪影響を与える。それに気づいたのは後になってからだった。
ジャスティン・ローゼンスタイン
フェイスクブックの「いいね」機能の開発者
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興味のある方はどうぞー
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