「利他はこうして伝染する」を読み終えた。
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著者はTEDの創業者でもあるクリス・アンダーソン。ロング・テール、フリー、メーカーズは既読。
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[モラル・エレベーション] 誰かが第三者に対して良い行いをしているのを目にすると、実際に物理的な影響を受ける。自分も見習いたいという気持ちが湧き、優しさの連鎖反応が起きる可能性が高まる
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カフェの客は自分のコーヒーの他に、余分に1杯分の「保留コーヒー」を先払いしておく。これは他の人への贈り物であり誰が飲んでもいい。お金のない人やホームレスの人が注文することもある。見知らぬ人から優しくされたというだけで自分が大切な存在であると実感でき人生は耐えられるもの、さらには美しいものさえなりうる。贈り主に必要なことは1つだけ。自分が楽しもうとしている贅沢が誰かにとっての喜びになる、と覚えておくことだ。そして自分にはその贈り物ができる、ということを。
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人が他者に伝えたいと考えるような美しい利他の行為があったとしよう。その行為の話を聞いた10人が平均9人にその話をしたとしたら、ニュースは徐々に消えていく。でももう少し伝染力を持って10人が平均11人に伝えたらバイラルに拡散していく。
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世界のトップニュースとみなされるには通常、劇的あるいは無残に100人以上の死者が出ることが必要だ。子供が巻き込まれていると死者数がはるかに少なくてもトップニュースになる。何となく遠く感じられる国で自然災害は発生した場合は、はるかに多くの死者が出ないと世界的な関心は集まりにくい。
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すべての原因を含めると毎日17万人以上がなくなっている。だから、あなたに問いたい。世界について知るべきより重要なことはどちらだろうか。昨日、飛行機事故で100人の死者が出たことか?それとも、もし世界が何十年か前と同じ状況だったら、昨日命を落としていただろう2万1000人の子供たちが実際に生きていることか?
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利他志向の人たちは吹聴したがらないことが多い。私たちは利他の行為はスポットライトの当たらないところで慎ましく行うべきだ、と教えられる。確かに、自分の優しさをひけらかすように見える人を咎めることがよくある。だがこれは悲劇的な影響を生む。利他の増幅を引き起こせるストーリーが語られずじまいになるのだ。そして、そのために公に出回る話題は人のダークサイドばかりになってしまう。
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利他を実践する人がその行為から喜びを得ていても、私はまったくかまわない。あるいは、その行為が自分の長期的な評判に役立つとその人が密かに考えていてもだ。なぜなら、利他的になるようもっと大勢の人を説得する可能性が開けるからだ。
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「これは自分のお金の最善の使い道か?」という問いには捉われるべきではない。明確なイエスは決して得られない。他にあり得た使い道をすべて分析することなど不可能だからだ。これにこだわれば行動しないという選択に陥ってしまう。そうではなくこう問えばいい「これは自分のお金の良い使い道か?」答えがイエスなら行動に移す。
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自分の周りの人たちと同じくらい与える行為ができたかどうかは問題ではない。あなたが受け取ったものよりも多く与えているかどうかだ。
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以上引用です
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人はポジティブなニュースよりネガティブなニュースに惹かれ、ネガティブはポジティブの数倍速く拡散する。
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どうすればインターネット(SNS)が本能的自己を利用する代わりに、内省的自己に力を与え直せるか。ネットワークを利用して、真っ黒な盤上を白いオセロでひっくり返すヒントを教えてくれる。
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利他に関する本は数冊読んだけれど、考えだすと難しい。
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でもまずは
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疑うよりは信じてみる。
やらないよりはやってみる。
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くらいがいいんではないか。
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最初のハードルは「やるかやらないか」次のハードルは「お金かそれ以外か」そして「どのくらいの量、頻度にするか」になると思う。
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寄付は強制されてやるものではない。ましてや義務や見栄、見返りを期待するとおかしなことになってくる。
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なので自分は「自分のため」と思って行うのが一番しっくりくるな。
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世界の3大宗教にはこういう教えがあり、この本ではどちらかの実践を推奨している。
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・10分の1税(ユダヤ教とキリスト教)
貧乏でない人々は収入の10%の献金をすべきだとする長い伝統がある。慣習によっては教会やシナゴーグに直接払う場合もあり、単にどのくらいのお金を困っている人のために提供すべきかの指針である場合もある
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・ザカート 喜捨(イスラム教)
収入ではなく、所有している全資産に焦点を当てる原則。ある基準を超える資産を所有する人は毎年その資産の40分の1(2.5%)を寄付するように求められる
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ある匿名カップルが200万ドルを寄付した後、その金額から得られる幸福度の200倍以上の幸福度が生まれたそうだ。
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利他が幸福感を高めることは証明されている。
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もちろん金銭だけではなく、ボランティアをしたり、時間や才能、知識を還元することもできるよね。
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例えば、車を運転していると道を譲ってくれたり、車間距離を取ってくれたり、ウインカーを早く出してくれる人がいる。
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こういう機会が増えれば、自然と返報性(tit-for-tat)が働き、幾何級数的に優しい運転に繋がるといつも思っている。とても小さい話だけれど。
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最期に印象に残ったところを
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人生についての道義的な問いの中で、最もシンプルで重要なものはこうではないだろうか --- 人生をトータルで見て、私は与えてきたか、それとも受け取ってきたか。
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「1時間幸せになりたいなら昼寝しなさい。1日幸せになりたいなら釣りに行きなさい。1か月幸せになりたいなら結婚しなさい。1年幸せになりたいなら遺産を相続しなさい。一生幸せになりたいなら他の人を助けなさい」(中国のことわざ)
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このブログも、誰かの小さなポジティブになると嬉しいですな。
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