発注いただきました!

小説

「発注いただきました!」を読み終えた。
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朝井リョウさんの新作で、有名企業からの依頼を受けて書いた小説を一冊にまとめたもの。色々な条件や制限の中、短いものから長いものまで色々ある。最後の「贋作」だけは新作だそうだ。
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タイやヒラメ、淡泊な白身のあとは、コハダやアジなどお酢で締めたもの。城野さんがよどみなく注文していくお寿司の順番は、スマホで見たまとめサイトの内容と全く同じだった。
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誰にも何を頼まれていないのに、俺は、酒を作っている振りをする。こうしていれば、誰とも会話をしていなくたって不思議がられない。
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清水課長は、どんな小さな仕事であっても、俺がそれを終えたときにはありがとうと言う。それはまるで理想の上司のような行動なのだが、俺のことを「そうでもしないとすぐに不機嫌になる幼稚な若手社員」だと思っているのかと感じるときもあり、勝手にこちらがむしゃくしゃしてしまうことがある。
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現実はいつだって、頭の中で考え尽くしたことをいとも簡単に乗り越えてくれる。
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私はきっと、大切なものを大切だと気付かないうちに手放してきた。
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(自由とは)甘美に響く言葉だが、生きていくこととはきっと、両てのひらに溢れていた自由を一つずつ、自分以外の誰かや何かに差し出し、無限にある選択肢を一つずつ減らしていくことなのだと思う。
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現在の自分を愛することはもちろん大切だ。だけど、現在の自分よりももっと愛することができる人やものに出会い、それらにいま手にしている自由や選択肢を差し出すその瞬間が、私はとても楽しみだ。
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贋作ほど豪華な額縁に飾られるように、技術や実績を持ち合わせていない人間ほど、言動や立ち振る舞いに気を遣うようになる。
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以上引用です
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感想は・・・良かった!
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冒頭の「はじめに」で「自分から書き始めるような小説となると、私はなぜか心地いい読後感より、心ざわつくような違和感みたいなものを目指して突っ走りたくなる衝動に駆られる」とあるが、まさに自分が著者に求めているのはこの感覚なのかなと。
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「チア男子とこち亀」のコラボ小説や、漫画「アイアムアヒーロー」を題材にしたものもある。前者のほうはキャラクターの知識がないと100%楽しめないかもしれない(自分はあまり分からなかった)逆にファンにはたまらないだろうね。
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好きだったのは「蜜柑ひとつぶん外れて」「引き金」「贋作」で、中でも「贋作」は最高だった!最後の作品だけでもぜひ読んでみてほしい。
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興味ある人はどうぞー、カフェボウルとはなんだろう・・・

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