[25] チワワさんという女性2

アルバイト

「[23] チワワさんと同じシフトになり舞い上がる」の続きです。読んでない方は先に [23] を読むと、より一層風味が増して美味しく頂けます。
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[23] チワワさんと同じシフトになり舞い上がる
いつものように気だるさ満点でバックヤードに入ると、チワワさんがいた。どうもシフトが変更になったらしい。 . ■ . 自 「お、おつかれさまです」 チ 「今日は、新しい作業を教えます」 自 「は、はい・・・」 . . 客観的に見れば、中年フリーターが一回り以上は下の女性から作業指示を受けるというなんとも悲壮感漂う光景の出来上がりだ。 . 詳しい中身は言え...

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パソコンで作業を一通り教えてもらった後、売り場にいって一緒に作業をすることになった。颯爽と歩くチワワさんの後を遅れないように必死で付いていく。その様はチワワさんが「ゆ」(ゆうしゃ)なら、さしずめパーティーでは決して先頭にはできないであろう「あ」(アルバイト)だ。
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商品を並び替えているときに、チワワさんが値札が違うものがそのまま表示してあったのを見つけた。これは客からダイレクトにクレームがくるので気をつけなければならないところだ。
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チ 「 〇〇 のやつ、ふざけやがって・・・」 (〇〇はリーダーの名前)

自 (え!?)
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聴力検査は一度も引っかかった事はない。加えて前日にルマンドを食べながら寝っ転がって Youtube を見つつ、口を半分開けながら耳くそをほじり返していたんで日本語のリスニング対策は完璧だ。
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何かの聞き間違いかと思ったが、確かにボソッとチワワさんがそうつぶやいた。一瞬、チワワさんの冷たくて透き通るような瞳に目をやったが何も言葉を発することはできなかった。そう、完全にビビッてしまったのだ。
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思った以上に責任感が強くて仕事に厳しい人なのかもしれない。
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その後、近くを通りかかった細木さんをチワワさんが呼びかけた。
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チ 「細木さ~ん!」

細 「・・・」
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細木さんは周囲の雑音のせいか、はたまた耳が少し遠いのかチワワさんの声が聞こえずに向こうに行ってしまった。
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チ 「聞こえてねーし」

自 「は・・・はは、そうですね・・・」
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戦力外通告の中年アルバイトには、これ以上ない乾いた作り笑いを絞り出して「笑っていいとも」の観客のようなテキトーな返しをするのが精一杯だった。ひょっとしてこの人は売り場に出ると人が変わるんだろうか、それとも単に虫の居所が悪かっただけなのか。
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「可愛くて親切で字が綺麗で仕事ができるヨルハ二号B型」というイメージに「S気質なところがある」というノードが追加された。
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この容姿でこの発言・・・
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・・・
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なんだ、ただの完璧か(笑)
ギャップで逝ってしまいそうだ。

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そういえば、以前チワワさんがハイリさんを注意していたのを目撃ドキュンしてしまったこともあった。そして今回リーダーへのあの発言だ。
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「リーダーの事は嫌いでも、自分を嫌いにならないで下さい」
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