「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」を読み終えた。
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前からずっと読みたくてショッピングカートに入れてあった本。著者はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの教授で神経科学者だそうだ。
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脳をスキャンすると、自分のとっておきの知恵を他人に伝える機会を得たとき脳内の報酬中枢が大いに活性化するのがわかる。
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結婚生活が長く続く一番の要因は、情熱でも友情でもなく類似性である。
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矛盾しているようだが、豊富な情報が得られるようになると人は自分の意見にもっと固執するようになる。なぜなら、自分の考えを裏付けるデータを簡単に見つけ出せるからだ。
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自分とは異なる意見の潮流を知らずして、どうしたら合理的に真実を見分けることができるだろう。
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私たちはほぼ無意識のうちに流行を追い他人をまねる。しかしその一方で、いったん決断したり意志を固めたりすると違う考え方を取り入れるのは難しい。
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影響を与え合う最も強力な方法の一つが感情を用いることだ。
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ツイートやリツイートをする行為は、感情の高まりを示す脳活動を75%上昇させるという。タイムラインを読むだけでも65%ほど上昇する。こうした特徴は人間として生きるうえで大いに必要なフィルターを迂回し、感情システムに何度も働きかける。
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自分とは外見も話し方も違う人でも、その脳はほとんど同じように組織されていて、同じ刺激に対して同じ反応を返すことは忘れられがちである。
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望ましい行動を継続させるために肯定的なフィードバックを永遠に返し続ける必要はなく、人はそれがなくなっても同じ行動を長期にわたって続ける場合が多い。
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知ることの利点は、不確実なことへの不安を減少できるかもしれない点にあるが、知識の代償は自分が信じたいことを信じる選択肢を失うことである。
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私たち全員が平均よりも影響を受けにくいということはあり得ないのである。
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コメントを操作して最初に高評価のレビューを掲載すると、それに続く好意的なレビューの数は通常より32%多くなり、実験終了後の総合評価はなんと25%も上昇した。
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集団が個人よりも賢いのは個の独立性が保たれているときだけだ。群衆を構成する人々の意見は互いに独立していなければならない。
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事実で人の考えを変えられないということは、裏を返せば事実でないもので人をコントロールできることでもある。
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以上引用です
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感想は・・・読むしかない(笑)
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人は他人から影響を受けるのと同様に、他人に影響を与えている。その絶え間ない影響の中で人生をうまく生きぬく術が書かれている。
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人間、どうしても読みたいものを読んだり、聞いたり見たりしてしまう。
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自分もそうで気付けば似たような服を着て、似たような本を読んで、似たような音楽を聞いている。
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Youtube で音楽を聞いているときなんか自動再生をオフにしないと延々と以前聞いた曲を聞かされるハメになるよね。
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何か新しい事を始める最初の取っ掛かりは「好きなもの」でいいと思うが、いずれレコメンドのアルゴリズムから抜け出せなくなる。
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音楽くらいならまだいい、それが習慣や思想にまで及ぶとその人の人生に影響を及ぼすということだ(フィルターバブル)
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誰も偏狭でステレオタイプで、自我だけが膨張した人とお近づきになりたいとは思わない。
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これは大事なところだ、年を取るにつれてそう思うわ。そんなじじいイヤだよね(笑)
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もう一つ印象に残ったのは「知識のギャップ」だ。
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タイトル記事に「ガーデニングな夢中な10人の有名人」「実は鼻を整形していた3人の女優」などがあると、自分にはどうでもいい記事だと分かっていてもついクリックしてしまいたくなる。
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知識のギャップとは、元々一度も自分の中に存在しなかった考えたこともない知識を埋めてしまいたい衝動に駆られることだ。
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これも人の「もっと知りたい」という脳の特徴をうまく利用しているそうで、インターネットの釣り記事(クリックベイト)に多い。
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これもいわゆる If it bleeds, it leads. なのかなと。
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あと、がん検診を受けるべきだったのに先送りにして受けなかったような「誤った決断をしてきたことの代償が、悲惨な現実を知らずにいる利点を上回る」エピソードも面白かった。
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全体的にユーモアにとんでいてとても読みやすい本です。
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「人を動かす」「行動経済学」「脳科学は人格を変えられるか」、記憶の変化は「錯覚の科学」あたりを読むとより面白いと思います。
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興味のある方はどうぞー
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