「エルヴィス」を見終わった(2022年/アメリカ)
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人気絶頂で謎の死を遂げたスーパースター、エルヴィス・プレスリー。彼が禁断の音楽・ロックを披露した日から世界は一変した。センセーショナル過ぎるパフォーマンスから若者に熱狂的に愛された一方で、中傷の的になり警察の監視下に置かれるようになる(U-NEXTより)
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感想は・・・思っていたより深い映画だった。
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世代的にプレスリーはリアルタイムでは知らない。
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自分の中ではリバーフェニックス、ジェームズ・ディーンと同様にイケメンでカリスマ、かつ短命の人というイメージだった。
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プレスリーの生い立ちが興味深かった。幼い頃に、白人であるにもかかわらず黒人の居住地域へ移らざるを得なかったんだよね。そこで黒人音楽から影響を受けて、ゴスペルとR&Bを融合させていくと。
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1950年代のアメリカ南部と言えば、悪名高いジム・クロウ法がまかり通っていた時代だ。黒人が白人音楽を愛するのと同じくらい白人が黒人音楽を演奏するのは自殺行為に近い。
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黒人への差別は白人への差別にもなっていたということだ。
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彼の本当のかっこよさは見た目うんぬんよりも、凄まじい検閲、加えてキング牧師、ジョン・F・ケネディの暗殺にもひるむことなく自身のスタイル、信念を貫いたその生き様だろう。
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あとね、取り巻きに常時医師がいて薬を処方していたり、黒人音楽を愛していたところに、黒人で白人になりたかったマイケルジャクソンを重ね合わずにはいられなかった。
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エルヴィスクラスのプロモーター、ショービジネスとはこういうものなのかもしれない。
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エンドロールによると、史上最も売れたソロアーティストがプレスリーだそうだ。最後は42才の若さで心臓発作で亡くなった。
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人種の壁を打ち壊す、音楽の底力を感じさせる映画だった。
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