「密偵」を見終わった(2016年/韓国)
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1920年代の日本統治時代。朝鮮人でありながら日本の警察に所属するイ・ジョンチュルは、特命を受けて義烈団のリーダー、キム・ウジンに接近する。義烈団と日本警察の情報戦が展開するなか、義烈団は大量の爆弾を京城に持ち込む計画を進めていた。
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脚本が深い・・・
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主人公のソン・ガンホ演じるジョンチュルは「血をとるか、育ちをとるか」で苛むんだよね。統治下という特殊な環境で生きていくためには仲間を売るのも致し方ないと。
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つまるところ、アイデンティティとの葛藤だ。
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最初からヒガシは分かっていたんだろう。だからこそ密偵を逆に利用して義烈団を壊滅させたかった。
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刺客のハシモトはアンタッチャブルで言うところのフランク・ニッティだ!電車の中のシーンはブレット・トレインさながらだったな。
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そして革命軍である義烈団も一筋縄ではいかないんだよね。こちらはこちらで疑心暗鬼に苦しむことになる。
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冷静に歴史を顧みれば、革命に成功しても貧富の差は覆らないし安定にまで至らない可能性が高い。
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愛国心とは何だろうね。
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連帯感?従属感?
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若い世代が見たら、なぜみんなお国のために身を粉にしているのか分からないかもしれない。コスパや合理性で測れない感情なのは間違いない。
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そんなことを考えさせられた。
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なんとキャストが豪華な事!
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みんな知ってるソン・ガンホ、最近見た「サスペクト」で知ったコン・ユ、超イケメンのイ・ビョンホンの共演だ(*敬称略しています)
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ソン・ガンホとイ・ビョンホンは「非常宣言」でも共演していたね。
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個人的に、大物がたくさん出演する映画は尻すぼみになるという印象があるけれど(中身ではなく、器で勝負しがち)この作品は素晴らしかった。
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写真館でゲスンの身元がバレたのはウジンがアジトで写真を撮っていたからなんて!えー、ここが一番いたたまれなかった、切ない・・
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日本人側から見るのと、朝鮮人側から見るのとでは、感情はまた違うだろうね。両側から見れるのが一番満喫できるんじゃないかな。
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深い映画でした、面白かったです。
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