「灰色の鎖 PFAS汚染列島」を読み終えた。
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著者の本は初めて。
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PFASの血中濃度についての基準は日本になく、参考になるのはアメリカの学術機関「全米科学アカデミー」の指標だ。7種類のPFASの合計が20ナノグラムを超えたら健康への影響が懸念されるとして、脂質異常や甲状腺ホルモンの検査のほか、腎ガンの徴候や症状を医師に確認してもらうよう推奨されている。
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血液中のPFOAの濃度が半分になるまでの半減期は3年ほどで、一度体の中に取り込まれるとなかなか排出されない。
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1リットルの水に含まれるPFASの濃度はナノグラムという単位で示される。1グラムの10億分の1、25メートルプールに塩を3粒溶かしたほどの濃度とされる。この物質について研究するなら、それほどの微量を検出できる分析技術が不可欠となる。
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活性炭は、浄水場の原水や工場の排水などに含まれるPFASを除去するために不可欠であるにもかかわらず、使用後の処分方法は決められていない。高温で熱すると吸着物が分解され、再び使うことができるようになるため、使用済み活性炭はそもそも廃棄物とみなされていないからだ。
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「いちばんひどいのは農薬です。そもそも参照する文献を誰が選ぶと思いますか。農薬を作っている企業に選ばせているんですよ。彼女たちは決して国には盾突かない。異論を唱えることがいい結果を招かないことを知っているのでしょう。黙っていたから研究予算がついた。そう見えてしまいますよね」
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評価書をイメージして論文を評価するというのはつまり、認めようとする結果を想定したうえで、都合の悪い論文は外し、結論を補強する論文を加えるというとこではないか。この20年あまりに世界で積み上げられた膨大な疫学研究はすべて退けられ、残ったのは2005年と2006年の動物実験の結果だった。
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[P値ハッキング]


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EPAは信頼度の格付けによって論文ごとに結論の重みづけをしたうえで検討し、最終的な評価をまとめ、その後「ピアレビュー」と呼ばれる第三者の審査を受ける。そこでは評価を担当した専門家のコメントも公開され、どのようにして結論に至ったかを検証する仕組みが整えられている。
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一方、食品安全委員会の評価書では、関連ありとする論文がいくつあっても、関連なしとする論文が一本でもあれば「証拠は限定的」とされている。論文そのものの信頼性や確からしさは反映されず第三者による検証も行われない。
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リスク評価の過程が明らかにされないまま、環境省は2026年4月1日から1リットルあたり「PFOSとPFASの合計で50ナノグラム」を飲み水の水質基準とすることを決めた。
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「水俣病のようなことになったら、大変ですから」患者の認定や被害の確定、そして補償をめぐる争いになれば膨大な時間と労力がかかる。しかも、PFASを製造、使用していた企業だけでなく、基地の消火訓練でPFASを含んだ泡消火剤を放出していた自衛隊、つまり防衛省も汚染責任を免れられなくなる。それは米軍基地の責任にも波及する。
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以上引用です
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最初にPFASを知ったのはNHKの「クローズアップ現代」だと思う。
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有機フッ素化合物のことで1万種類以上(PFOAを含む)あり、これらを総称してPFAS(ペルフルオロオクタン酸)と呼ぶ。
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テフロンと結びつくことによって大量生産が可能になる。
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今日ではハンバーガーの包装紙やピザの箱、化粧品、レインコート、泡消火剤など幅広い用途で使われているそうだ。
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ぱっと思い付くだけでもマイクロプラスチック、PM2.5、黄砂、電磁波。
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世の中には健康との因果関係が不明だったり、示唆されているにもかかわらず曖昧にしておきたい物があるよね。
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例えば、3人に1人が癌にかかり、2人に1人が癌で死ぬだけにPFASが原因だとは言い切れない。癌や脂質異常は、他の要因からもなりうるからだ。
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そしてPFASに曝露しても濃度や期間によっては影響が見えるまで年単位の時間がかかる可能性があり、集団を長期的に追跡しなければ因果関係を証明するのが難しいと。
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つまるところ、「PFAS病」と呼べる特定の症状はない。
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だとしても、これだけのことが偶然重なっているとも思えない。
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科学者は科学の力を持って「患者の認定に繋がる研究をするか、それとも国や企業を代表して因果関係を認めない側に立つか」の選択肢がある。
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もし前者の側に立つなら、科学との戦いの前に行政と御用学者の壁を打ち破らなければならない。
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とどのつまり、「科学然」としたものを。
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この部分が一番大きなボトルネック。
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お上にとっても、事後処理の労力を考えれば事前措置のほうがコストは抑えられるんじゃないだろうか。
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大変読み応えがありました。
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