「日本が売られる」を読み終えた。
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堤未果さんの新作で、この著者の本は好きでほとんど読んでいる。実はツイッターもこっそりフォローしているという隠れファンだ。
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これまでの書籍の内容と多少だぶっているところもあるけど、中身は最新の情報にアップデートされているので十分読み応えがあった。
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本の中には「今だけカネだけ自分だけ」というフレーズが多用されていて、強欲資本主義に市民の力でどう対抗していくべきかが書かれている。
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2025年までに地球の3分の1の人々が新鮮な水にアクセスできなくなり、2050年までには地球は壊滅的な水不足に陥る。
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アメリカでは大豆、綿、トウモロコシの9割以上で遺伝子が組み換えられ、国内に流通する加工食品の9割に遺伝子組み換え食品が使用されている。
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ネオニコチノイド農薬が残留した餌を食べたハチは帰巣本能を失い群れが崩壊する。ハチの死骸の92%からネオニコチノイド農薬が検出されている。
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遺伝子組み換え種子とネオニコチノイド農薬をセット販売して、作付後は雑草を枯らすためにグリホサート除草剤がかけられる。
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単純労働に外国人100万人が流入すれば、国内の賃金は24%下落する。
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セキュリティの甘いLINEからの乗り換え先で一番人気は、ドイツのTelegramだ。チャットの内容は全て暗号化され転送は不可でサーバーに足跡も残らない。投稿内容も2秒後から1週間先までユーザー自身が消すことができる。
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アメリカでは子供の12人に1人が食べ物アレルギーで、3人に1人が肥満児で、6人に1人が学習障害、6人に1人が自閉症である。(原因は遺伝子組み換え食品の可能性が高い)
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*以上引用です
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遺伝子組み換え種子と農薬のセット販売は特にあくどいと思う。
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遺伝子工学で1年しか発芽しない種子を作って、その種子が自社製品の農薬にのみ耐性を持つように遺伝子を組み換える。そしてこの種子にのみ効く除草剤もセット販売する。するとその農地では遺伝子組み換え以外の種子は作付けできなくなるというもはや悪魔の所業だ。
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小学生の頃、町のおもちゃ屋がファミコンと売れないファミリーベーシックを抱き合わせで販売していたのとはレベルが違うのだ(笑)
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以前に「ハチがいなくなった」というニュースがあったけど、それもネオニコチノイド農薬の影響が大きいらしい。
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日本もどうやら、あらゆるモノやサービス(水道、農地、種子、警察、消防、教育、福祉、医療)に値札を付けて市場を開放して外国人にビジネスとして差し出そうとしているようだ。
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一方でヨーロッパでは一歩進んで、経済的に非効率な公営でもなく、人道的に不公正な民営でもなく市民による運営の民主化で、全く新しい制度が次々と実現しているそうだ。
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おそらく著者は多少左寄りなのかなとは思うけど、説得力があれば右も左も関係ない。要点がたくさんありすぎてまとめきれないけど、確実に860円以上の価値があるんで読んでおいて損はない良書だと思う。
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