「国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか?」を読み終えた。
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著者は元エニックスの社員で、スクゥエア・エニックスのゲームプロデューサーを経て今はボードゲームの会社を運営しているそうだ。面白そうだったので購入。
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世界初のRPGは、1974年にアメリカのTSR社から発売された「ダンジョンズ&ドラゴンズ」です。これはコンピューターを使ったゲームではなく、紙、ペン、サイコロなどを使う一種のボードゲームでした。
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エニックスは、世間でのイメージと異なりそもそもゲーム会社ではありません。元は公営住宅の情報誌を発行する事業のため作った「株式会社営団社募集サービスセンター」が母体になっています。
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ファイナルファンタジーは「ファイティングファンタジー」というタイトルを第一候補としていましたが、これは海外で火吹き山の魔法使いなどで有名なゲームブックのシリーズ名として商標が登録されてしまっており、断念せざるを得ませんでした。それで第二候補のファイナルファンタジーが採用となったわけです。
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アーケードゲームの売り上げは1プレイごとに投入される硬貨の蓄積ですから、お客さんの回転率が収益性に直結します。そのため、その開発では3分くらいを目安にプレイヤーを「殺す」のが一般的なゲームバランスでした。「一見さんは3分で殺す」のが定石だったのです。
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[人形劇の山] 人間に似せたロボットやCGが「人形劇ぐらいのつたなさ」= 作り物らしさが残った技術で表現されていると見る側にはむしろ温かみや愛嬌、そしてイノセントさを感じさせること(不気味の谷の対義語)
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当時のファミコン市場は、今では考えられないほどの「出せば売れる」状態でもありました。例えば、初代ドラクエ(150万本)と同じ年に販売されたバンダイの「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」は歴史に残る大ヒットタイトルというイメージではないですが、実は100万本を超えるミリオンセラーなのです。
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人間集団のムードというのはなんだかんだいって、人数比を素直に反映してしまうものですから合併後のスクゥエア・エニックスは「スクゥエアの企業文化をベースにエニックスの味付けが加わったもの」になっていったと思います。
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今となってはFFシリーズの物語はいわゆる「中二病」の代表格のように扱われることも多いですが、そのポジションがはっきり確立されたのは、実はFF7からであり、そこにはマーケティング上の価値も十分にあったということです。
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FF7の本当にすごいところは、それまでJ-RPGがなかなかメジャーになれなかった海外市場で、なんと1000万本を超える別次元のヒットをとばしたことです。
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一説には、ドラクエ7のシナリオはA4用紙でなんと1万6000枚に及んだと言われています。
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(FF10の)ティーダとは、沖縄の方言で太陽を意味する「てぃだ」に由来し、FF7のクラウド、FF8のスコールから続く天気モチーフのネーミングの中でも、もっとも陽性の名前だと言えます。
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[メタAI] オープンワールドのゲームで、マップの隅々まで退屈させないよう、モンスター、アイテム、イベントなどを配置するには気の遠くなるような手間がかかってしまいます。それらの配置の一部をAIに任せることにより、ゲーム中にプレイヤーがマップを移動する様子をリアルタイムで観測しながら「そろそろプレイヤーが退屈してきたであろう」と思われるタイミングでプレイヤーの移動先にモンスターを配置したり、「体力が減ってつらいだろう」というタイミングで回復アイテムを配置したりということが可能になるわけです(ゲーム全体を俯瞰的に観測して、プレイヤーの体験を面白くするように演出すること)
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「ファルシのルシがコクーンからパージされてパルスへ」(FF13のあらすじ)
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(FF13の)分かりづらい表現が、かえってファンたちの「分かりたい」という欲求を刺激する訳ですが、一方で普通に「意味分からん」と思って離脱してしまうお客さんもいるはずで、「わかる奴だけついてこい!」というファミコン時代からのFFの姿勢が未だ続いている部分といえるでしょう。
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以上引用です
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ドラクエに最初に出会ったのは小学生のときだった。
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記憶は曖昧だけれど、何かのイベントで親がファミコンのカセットを買ってくれることになって、街のおもちゃ屋さんで偶然にも発売日当日くらいに購入したのを覚えている。
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当時はどんなゲームか内容も分からずに、ただドラゴンボール風の(鳥山明先生のパッケージイラスト)絵柄に惹かれたという甘い思い出だ。
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それまでマリオブラザーズやゼビウスしかプレイしたことのなかった小学生には、いったいどういう風に進めていくのか皆目見当もつかなかった。
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つまるところ、初めてRPGというジャンルに触れたのがドラクエだった。
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「失敗した・・やっぱりゲゲゲの鬼太郎にしておけば・・・」と涙目だったものだ(笑)
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ちなみにドラクエは1、2、3、4、5と、PS4で11をプレイしてクリアしている。6~10は未プレイだ。
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エニックスのタイトルはドアドアとポートピア連続殺人事件も持っていたなー
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一方で、FFに最初に出会ったのは友達の家で、その世界観といきなり4人パーティに驚いたのを覚えている。
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大人っぽく洗練されていて、音楽もドラクエに負けないくらいすごく印象的だった。
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FFのほうは1,2、そしてPS4の7リメイクしかプレイしたことがない。自分にとってはドラクエのほうが馴染み深いかな。スクゥエアのタイトルはキングスナイト、ディープダンジョン1、2、3と持っていた。
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そんな切磋琢磨しながらしのぎを削っていたスクゥエアとエニックスは突然2003年に合併を発表するんだよね。
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実は当時スクゥエア株を少し持っていて、日経のサイトを見てとても驚いたのを覚えている。いい思い出だ。
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子供の記憶そのままに、大人になってからドラクエ11とFF7をプレイした感想は・・
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とにかく親切すぎる(笑)
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特に冒険の中のセーブポイント(たき火など)が近すぎる。ファミコンの不親切さ、不条理さは腹立たしいところもある一方で、
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「最大限に薬草を買い込んで、宿に泊まって、しっかり装備を整えないと次の街まで辿り着けない!」というドキドキ感があった。
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MPを使い切って、ステータスを真っ赤にして、街まであと数歩!というところでギガンテスにエンカウントみたいな(笑)
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そんなギリギリのバランスは無くなっちゃったな・・そこが少し悲しい。無い物ねだりだろうか。
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今はオープンワールドのゲームが好きだ。マップを自在に移動できて、イベントの自由度が高ければ高いほど童心に帰れる。逆に一直線のシナリオは窮屈であまり好きじゃない。
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全然本の感想じゃない!
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詳しくは読んでね(笑)
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最期に一番刺さったところを
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ゲームにおける物語のあり方を象徴しているのは、堀井さんが初代「ドラクエ」でやっていた、最初の街のすぐ向こうにラスボスの城が見えているって仕掛けだよね。あれは「終着点は決まっているけど、それまであなたがどう動くかは自由だよ」ってことなんだよ。鳥嶋和彦
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面白かったです。
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