小説8050

小説

「小説8050」を読み終えた。
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林真理子さんの新刊で週刊新潮で連載されていたものらしい。林さんの作品を読むのはこれが初めてだった。
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「お前の育て方がいけないんだ。まともな人間に育てられなかったお前がいけない」と怒鳴ったことは、今では悔いている。
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今、引きこもり支援は、確かにビジネス化してシステマティックになっている。引きこもりは商売になるのだ。しかしそれは悪いことではない。立ち直りの方法が明確に多様化してきたからではないかと、いつも通り前向きに考えようとしている自分に気づく。
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気をつかわなければ、息子の機嫌をとっていなければ、とても同じ家の中で暮らせないのだ。
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そういう風に生きて行く子供もつらいだろうが、そんな子供を持つ親はもっとつらいはずだ。
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空しくつらいことの例えに「死んだ子の年を数える」というのがある。それとはレベルが全く違うが「引きこもりの学年を数える」というのも、親にとっては無念この上ない。
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「いいえ、そうですよ。自殺する子がいますよね、いじめられて。僕はそういうニュースを見るたび、かわいそうだけど、ちっとも分かってないないんだなあってせつなくなります。死んだ子は、自分をいじめた子たちは、このことで一生世間から責められ、罪人として一生過ごすに違いないって考えるはずです。でも違うんですよ。いじめた子は未成年だから名前が出ることもありません。その時は泣くぐらいのことはするかもしれないけど、すぐに忘れます。そして、学校出て大人になって、いじめた子のことなんてどこか遠くへいくんですよ。そしてのうのうと、普通に生きていくんです」
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家に閉じこもる息子。家から出ていく息子。ふた通りあるが、どちらが親にとって不幸なのだろうか。やはり前者だ。外には危険とひきかえに可能性と希望というものがあるかもしれないのだから。
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「家族なんて、その時はの役割を果たしたら解散したっていいんじゃないの。ママはもう充分にやってきたんだから、裁判が終わったらとっとと出ればいいんじゃないの。お父さんは私に、いくらかの金をくれるって言った。だったらママは三倍くらいもらいなよ。もっとドライになりなよ。家族って、そんなに有難がるもんじゃないんじゃないの?」
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加害者はいつまでたってもバカなんですよ。目を閉じればイヤなことを忘れられます。だけど被害者は違う。ずっとそのことばかり考え、自分を問い​糺していく。いわば賢人となっていきます。
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以上引用です
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感想は・・・つらい話だ。
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父親が厳格でその子供が引きこもり・・・この展開に「正欲」を思い出した。こちらの話では父親が検察官だった。
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正欲
「正欲」を読み終えた。 . . 朝井リョウさんの新作で、とても好きな作家さんの一人だ。 . . ■ . 「そういうこと、若いころはよく考えたなあ」「そんなこと考えたって仕方がない。毎日を生きるだけ」「人生の意味は死ぬときにわかるんじゃないかな」「むしろそんなことに悩めて羨ましいよ。目の前の家事や仕事で精いっぱい」。これらは全て人生に自然と他者が現れて...

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以前、高級官僚の父親が長年引きこもっていた息子の暴力に耐えかねて殺してしまった事件があったよね。その娘さんは引きこもりの息子のせいで結婚が破断になって自殺したそうだ。
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自分が小学校、中学校のときにも普通にイジメはあった。今のイジメは主戦場が24時間繋がるサイバー空間で逃げ道も無くなるんだろうな。
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一番印象的だったのは弁論準備手続きで翔太がイジメをしていた(と誤解させるような)画像が出てきて父親が先走ってしまう件だ。あの場面は読み進めていくのがきつかった。
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ちなみに8年前にあったいじめでも訴える事ができるそうだ。もちろん勝てるかどうかは分からない。
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ただ、この「訴える事ができる」というオプションが大事なのだ。
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偽善者たちへ
「偽善者たちへ」を読み終えた。 . . 百田尚樹さんの新刊でマスコミ、政治、人権、国際にからむ時事ネタを「歯に衣着せぬ物言い」でぶった切っている本。 . 著者の本は以前に何冊か読んだことがあって、個人的には亡くなられたコラムニストの勝谷誠彦さんを少しマイルドにしたイメージがある。 . . ■ . . なにかにつけクレームをつけるのはごく限られた一部の人たちだと...

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人権主義は犯罪者にとってどんどん有利な方に進んでいると言わざるを得ません。
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隠蔽体質に拍車がかかるだけかもしれないが、今は学校に弁護士を置いてイジメなどの問題を解決するいわゆるスクールロイヤーというのがある。あと少年法の改正で18才から厳罰化されるようにもなったね。
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引きこもりなってしまう理由はイジメだけじゃないだろう。誰だって就職や恋愛、家族や友人だったりほんの些細なボタンの掛け違いから歯車が狂いはじめる事がある。
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フィクションなので多少は「奇跡が重なる」けど、それを差っ引いても読み応えがあった。近いうちにドラマや映画化されるかもしれないね。
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最後にこの本から引用させてもらう。
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実力も運のうち 能力主義は正義か?
「実力も運のうち 能力主義は正義か?」を読み終えた。 . . マイケル・サンデルさんの新刊。著者の本を読むのは「これからの正義の話をしよう 」以来だった。 . . ■ . . SATのような標準テストはそれだけで能力を測るものであり、平凡な経歴の生徒も知的な将来性を証明できるとされている。だが、実際にはSATの得点は家計所得とほぼ軌を一にする。生徒の家庭が裕福であれば...

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彼らは経済的、社会的に恵まれているにもかかわらず、わが国のどんな子供たちのグループよりも、うつ症状、薬物乱用、不安障害、身体の不調、不機嫌さを抱える割合が高い。
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努力しよう、やってみよう、そして通常の意味で称賛に価する存在になろうという意欲でさえ、それ自体が恵まれた家庭や社会環境に左右される。
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あ、歯は大事だ!(笑)
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興味のある方はどうぞー
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林 真理子

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