正欲

小説

「正欲」を読み終えた。
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朝井リョウさんの新作で、とても好きな作家さんの一人だ。
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発注いただきました!
「発注いただきました!」を読み終えた。 . . 朝井リョウさんの新作で、有名企業からの依頼を受けて書いた小説を一冊にまとめたもの。色々な条件や制限の中、短いものから長いものまで色々ある。最後の「贋作」だけは新作だそうだ。 . . ■ . . タイやヒラメ、淡泊な白身のあとは、コハダやアジなどお酢で締めたもの。城野さんがよどみなく注文していくお寿司の順番は、スマホで見た...
死にがいを求めて生きているの
「死にがいを求めて生きているの」を読み終えた。 . . ■ . 朝井リョウさんの新刊で、かの有名な「桐島、部活やめるってよ」でハマってしまい「何様」や「何者」も読んだ大好きな作家の一人だ。 . ゲームの「428」のように個人のストーリーがそれぞれあって、読み進めていくうちに登場人物が複雑に絡み合っていくという構成になっている。 . はっきりいって天才だと思う。自分...

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「そういうこと、若いころはよく考えたなあ」「そんなこと考えたって仕方がない。毎日を生きるだけ」「人生の意味は死ぬときにわかるんじゃないかな」「むしろそんなことに悩めて羨ましいよ。目の前の家事や仕事で精いっぱい」。これらは全て人生に自然と他者が現れてくれた人たちの言葉です。
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人は詮索が大好きです。生まれ持ったもので人間をジャッジしてはいけないと言いつつ、生まれてからその人が手に入れたものや手にいれていないもの、手に入れようとしなかったものの情報を総動員しては、容赦なくその人をジャッジしていきます。
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目立っていたわけでも、学力で頭角を現わしていたわけでもなかったが、彼を嫌っていた人はいなかったと記憶している。なぜなら彼は誰とも一定の距離を取っていたから。
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生きづらさに寄り添う等と献身的な姿勢をアピールした数秒後には、それが自分のやりがいに繋がると嬉々として語る。いかにも人間らしい働きを見せる唇はオレンジ系のリップで美しく彩られている。
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多様性とは都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ。時に吐き気を催し、時に目を瞑りたくなるほど自分にとっての都合の悪いものがすぐ傍で呼吸していることを思い知らされる言葉のはずだ。
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イスラム2.0
「イスラム2.0」を読み終えた。 . . 著者は飯山陽さんという方でイスラム思想研究者でアラビア語翻訳者らしい。この人の本を読むのは初めてだった。 . イスラム2.0とはイスラム教についての知識が法学者による独占から解放されて、知識面で弱者だった一般のイスラム教徒がインターネットで啓示テキストに簡単にアクセスできる時代の事だそうだ。 . 帯にも書いてあるが「法学者よりも ...
快楽としての動物保護
「快楽としての動物保護」を読み終えた。 . . タイトルに惹かれてどうしても読みたくて購入。いわゆるジャケ買いだ(笑)著者の専門は「比較文学・比較文化」で大学教授らしい。 . . ■ . . ネイチャースタディの支持者たちにとって、いわゆる「科学」は単なる無味乾燥な知識の集積に過ぎず、ネイチャースタディの全人教育的な理想の前では、より低俗なものとして否定的に受け止めら...

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好きな人をみんなにお披露目して拍手で祝福されてみたい。一生なんて無理かもねとか腐しながら一生の誓いを立ててみたい。自分で作る家庭というものがどんなものなのか、大変な部分も含めて味わってみたい。孤独死以外の未来を見据えて生きてみたい。
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マジョリティであることが唯一のアイデンティティとなる。そう考えると、特に信念がない人ほど「自分が正しいと思う形に他人を正そうとする行為」に行き着くというのは自然の摂理なのかもしれない。
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心を開いて自分を受け入れようとしてくる人間がずっと怖い。そういう人に出会うと先に謝ってしまいたくなる。
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「同情してもらえるってわかってる過去明かして生きづらかったね辛かったねって、そんなやり方に俺を巻き込もうとするな」
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以上引用です
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感想は・・・良かった。
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ルッキズム、ピドフィリア、LGBTQ、引きこもり、不登校など色々なトピックが混じり合ってストーリーが進んでいく。
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昨今はどんな生き方をしようとも承認されるのが正義で、あたかもそれで全部良しと錯覚できる時代だ。
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つまるところ、多様性とは都合のいい言葉でもあるのだ。そんな「ザ・多様性」に一石を投じたかったのかなと。
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ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代
「ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代」を読み終えた。 個人的には今年読んだ本の中でベスト3に入る本だった。 . . ■ . 今の時代は個人が集団と対等に戦える武器がほぼ無料で手に入る時代で、情報が瞬時に共有できない昔の人なら眉をひそめていたであろう、どんなにニッチな物、事、生き方、趣味、性格、性癖までもが強みに変換できて、そこからさらにマネタイズまでできてしまう...
「利他」とは何か
「利他」とは何かを読み終えた。 . . 著者は未来の人類研究センターの「利他プロジェクト」に携わっている5人の共著らしい。伊藤亜紗さんは以前「手の倫理」を読んで知っていた。國分さんの本も読んだことがある。 . . ■ . . 合理的利他主義の特徴は「自分にとっての利益」を行為の動機にしているところです。 . . 効果的利他主義は「私たちは自分にで...

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生きていれば誰にだって墓場まで持って行きたい秘密の1つや2つ出来るんじゃないかな。それをカミングアウトしてまで認められたい人もいれば、一方でひっそりと生きていたい人もいるのだ。
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それも一つの「みんな大好きディバーシティ」だろう。
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あとこの本を読みながら、凪良ゆうさんの「流浪の月」を思い出した。
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流浪の月
「流浪の月」を読み終えた。 . . 作者は凪良ゆうさんという方で、経歴を見るとBL(ボーイズラブ)作品で有名な人らしい。BL物は読んだことがないので全く知らなかった。 . . ■ . . 白い目というものは、被害者にも向けられるのだと知ったときは愕然とした。いたわりや気配りという善意の形で「傷物にさらされたかわいそうな女の子」というスタンプを、わたしの頭から爪先までぺ...

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多くの人の中にある「力なく従順な被害者」とイメージから外れることなく、常にかわいそうな人であるかぎり、わたしはとても優しくしてもらえる。世間は別に冷たくない。逆に出口のない思いやりで満ちていて、わたしはもう窒息しそうだ。
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「あの人たち、ほんと聞くだけだよ。それも自分の幸せを確認するために」
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自分の秘密はなんだろう・・・言えない(笑)
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あと読み進めるうちに登場人物がかなり増えて複雑に入り組んでいくので、最初からメモを取っていくのがオススメです。
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面白かったです。興味のある方はどうぞー

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朝井 リョウ

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