流浪の月

小説

「流浪の月」を読み終えた。
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作者は凪良ゆうさんという方で、経歴を見るとBL(ボーイズラブ)作品で有名な人らしい。BL物は読んだことがないので全く知らなかった。
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白い目というものは、被害者にも向けられるのだと知ったときは愕然とした。いたわりや気配りという善意の形で「傷物にさらされたかわいそうな女の子」というスタンプを、わたしの頭から爪先までぺたぺたと押してくる。みんな、自分を優しいと思っている。
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今の時代、なにも珍しいことじゃない。人が殺される場面ですら、検索すれば簡単に見ることができる。未成年だからといって、なにも守られたりしないのだ。善良な人の好奇心を満たすために、どんな悲劇も骨までしゃぶりつくされる。
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多くの人の中にある「力なく従順な被害者」とイメージから外れることなく、常にかわいそうな人であるかぎり、わたしはとても優しくしてもらえる。世間は別に冷たくない。逆に出口のない思いやりで満ちていて、わたしはもう窒息しそうだ。
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結婚したら、どんないい男も点数下がっていく一方なんだよ。男から見た女も一緒。結婚って相手の点数が下がっていくシステムなの。でもお金の価値は変わらないよ。
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わたしの中には冷たく固まった部分があって、本当の意味では誰ともつながれない人間なんじゃないかと思っている。努力してもなんともならない部分が壊れているのだと。
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「あの人たち、ほんと聞くだけだよ。それも自分の幸せを確認するために」
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わたしはひとりになったけれど、それがなにほどのことだ。誰かと一緒ににいても、わたしはずっとひとりだったじゃないか。
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恋愛、結婚、子供。多くの人たちが乗るレールから、ぼくは外れ続けている。もうレールに戻れる気はしない。この先も、どこまでも外れ続けていくのだろう。
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以上引用です
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感想は・・・心のざわつきが止まらない。
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内容はストーカー、DV、未成年犯罪、性的虐待、小児性愛、日本人気質などてんこ盛りだ。最初は少し「昼ドラ」のような雰囲気で戸惑った。
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それでもストーリーは三章くらいから一気に加速して、あとは最後までジェットコースターのように息つく暇もなく展開して、気付けば時間を忘れて読みふけてしまった。
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あまり深い事は考えずに感情の赴くままに読んでいくのがいいのかなと。
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一番印象的だったシーンは、更紗が文のマンションに引っ越した後で公園で出会ったときに「9才に戻りたい」と言う件だ。ここは本当に刺さった、完全に貫かれた(笑)あと監視カメラのアプリを削除するところも良かったなー。
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映像じゃなくて文字だからこそこれだけの内容を消化できるのかもしれない。きっと読後はいい疲労感が残ることうけあいだ。
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あと自分は calico という単語の意味を知らなかった。結果知らなくて良かったし、知らないほうが面白く読めるので調べるのは止めましょう。
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おれも誰かと一緒にだらだらとデリバリーのピザを食べながら、布団でごろごろ寝転びながら、夕飯代わりにアイスクリームを舐めながらはしゃぎたいわ(笑)
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これほど思いを寄せてる人からこれだけ思われている事が純粋に羨ましい。
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文の振舞いや言動は、ひょっとして作者の理想の男性像に近いのかなーと勝手に妄想してしまう。
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とても読み応えがありました、興味のある方はどうぞー

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凪良 ゆう

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