「ハウス・オブ・グッチ(上)」を読み終えた。
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ずっと読みたかった本。後書きによると2004年に単行本で発売されたのを改編したものらしい。今年映画化もされているね。
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「公務員になったのも同然でしたね。グッチに採用されたら終身雇用だと考えてよかったんです」
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息子たちはその帝国を運営し、父はのちにグッチ帝国の代名詞ともなった家族間の醜い争いを見ずにすんだ。だが責任はグッチオ自身にもある。彼は息子たちを互いに競わせた。競争させることで、もっといい結果が出ると信じていたからだ。
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彼は一目惚れだった。彼女にとっては、その出会いはミラノで最も若い独身男性、しかもイタリアでもっとも魅力的なブランドの御曹司を征服する第一歩だった。
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パトリツィアはシルヴァーナの野望を代わりに体現していた。高級車、毛皮などのステータスシンボルは口さがないクラスメートたちにゴシップを提供しただけで、母親の出身家庭やパトリツィアの突飛な恰好は陰で笑われた。パトリツィアは夜になると母と涙にくれた。
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「スタッフに日本人のお客様は貴族だと言っています。外見はたしかにいまひとつさえないかもしれませんが、あの方たちは貴族なんですよ」
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三ヵ月後にはコピー商品が氾濫すると分かっているのに、女性はわざわざ高いハンドバッグなんか買うはずがない。
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カインとアベルの昔から、家族内で起こる争いは、かかわっているものたちの理性を欠いた衝動的な決断によって引き起こされ激しい争いに発展して意味のない破滅を招いてしまうものだ。
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「自由が欲しいんだよ。自由になりたい、とにかく自由が欲しいんだ」
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財務警察は脱税や密輸など国に対する犯罪を取り締まる軍隊警察で、イタリアでは一般警察よりもはるかに恐れられており、彼らのグレイの制服と黄色い炎のシンボルのついた制帽を見ると誰もが震えて身を隠すほどだ。
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「人生の最初に植えつけられた美しいもののイメージが、生涯にわたって影響を及ぼすと思うんだ。そのイメージが人の趣味を決定する。育った時期の審美眼は一生その人の美の基準になるね」
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以上引用です
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感想は・・・面白い!
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ザ・ゴシップだ(笑)
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読みながら「あれ、これノンフィクションで推理小説じゃないよね?」みたいな感覚になってくるストーリーだ。映画化されるのも分かる。
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一方で、登場人物も多く内容も濃いので、とてもとても2時間程度の映像では伝えきれないと思うよ。最初に本で予習してから映画を見るのもいいかもしれないね。
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個人的に思うのは、創業者のグッチオが長女のグリマルダに会社の権利を相続させなかったのが確執の一つ大きな原因なのかなと。
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つまるところ、パターナリズムだ。
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当時は男の子と女の子に同じ扱いをしないのが普通だったんだろうけど、もし彼女が経営に関わっていたなら男性には無い女性のしなやかさで、多少は風向きは変わっていたんじゃないかと思ってしまう。
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「高価格か低価格か、親の考えか子供の考えか」の件は、以前あった大塚家具のお家騒動を思い出した。
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あとね、フェルナンド・レッジャーニは本当の子供パトリツィアを養女として迎えたんだよね、はー
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ちなみに、グッチの商品は一度も買ったことも持ったこともない(笑)
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価格は忘れても、品質は記憶に残る(創業者 グッチオ・グッチ)
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これから下巻を読もうと思います。
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