同じグループの中に、片桐はいり似の女性社員がいる(以下ハイリさん)
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モサド、ゲシュタポをしのぐ「おばちゃんネットワーク OBCN」によると、どうもこの人は入社して4年目くらいでグループの中では一番若手の期待のニューカマーだそうだ。
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まだ役職にはついてないようで、副リーダーのチワワさんの指示の下で作業をしている事が多い。
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バックヤードには作業部屋がいくつかあって、そこで加工や包装作業を行っている部屋がある。自分は普段この部屋に入る事は無いんだけど、この日はなぜか別の部署のニヒルな人に「少しだけなんだけどあの荷物、そことここに移動させてくれる?」とアゴで指示をされて(うそです)その部屋の荷物を積み込まなければならなくなったのだ。
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カートを引いて取りに行こうと部屋に入ると、中にはチワワさんとハイリさんがいた。
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自 「お、おつかれさまです」
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明らかに空気が重い。挨拶まぎれに一瞥してみると、二人は面と向かっていてハイリさんが少し頭を垂れている。どうやらハイリさんがチワワさんに注意されているようだ。
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・・・
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ブー!
ブー!
ブー!
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危険を感知するビーコンが秒で反応して脳内でアラームが鳴る。
嫌な予感しかしない、早く脱出しないと。
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その一心で血眼になって目的の荷物を見つけるが「あぁ・・・圧倒的じゃないか・・・」ビグザムを初めて見たアムロの気持ちになったのは面接以来だ。なんということでしょう、大量の荷物が鎮座している。
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まさに「聞いてないよ」だ。ニヒルマンに近づいてレバー1回転+Pを出してやりたいくらいだが、そこは所詮アルバイトの身分、時間がくるまでただただひたすら指示に従うしかないのだ。
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早くここから出たい。
早くここから出たい。
早くここから出たい。
♪ Let me go ~ Let me go ~ (笑)
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二人の方へは目もくれず、まるで殺人犯に脅迫されているかのように「オレは何も見てないし、オレは何も聞いてない」を念じながら必死になって荷物を積み込むが、耳はもちろんダンボになっている。
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忍法「火事場の豆腐メンタル」を使って、自分でも信じられないくらいの2.8倍速のスピードで荷物を積み込んだ。
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間髪入れずチキンレースでのジャックナイフからの切り替えしのごとくカートを引っ張って出口へ向かうのと同時に、時限爆弾の7セグもまた無情にもゼロに向かう(笑)
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気分はトムクルーズだ。ミッションインポッシブルのテーマが頭の中で鳴り響く中、スイングドアを蹴り破って脱出しようとしたとき無意識に二人のほうを見てしまった。
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ズ・・・
ズズ・・・
ズズ・・・
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な、泣いてるんじゃないのか・・・
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バタン!
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時限爆弾の7セグが0.2くらいで止まる(笑)とりあえず脱出成功だ。
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単なる指導の一環なのか、行き過ぎた何かなのか、ボートレースで負けた腹いせなのかは自分には全く分からない。ただ一刻も早く、そこから消え去る事しかできなかった。
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