アルバイト生活も4年目となった。
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よく続いてんな、おい(笑)
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ご多分にもれず、うだつの上がらない顔を引っさげて、店のバックヤードでくすぶっていると向こうから課長が歩いてきた。
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年齢は30代くらいだろうか。学生時代から厳しい競争を勝ち抜いて、たゆまぬ努力の末に若くして数百人を束ねるポストに就いたんだろう。
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容姿端麗で小奇麗なスーツに身を包み、姿勢キリリと颯爽と歩き、薄暗い通路に薄明るい残り香をまき散らしていく。
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翻ってこちらは冴えないアルバイトだ。
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小汚い服に身を包み、覚束ない足どりで、まき散らしているのは汗と加齢臭だけ。まさに肉体労働がおあつらえ向きというものだ。
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きっとこれも人生で何かを蔑ろにしてきた報いだろう。なんてことを考えながら作業していると
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課 「自分さん!」
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自 「は、はい」
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課 「今度から夜のシフトに大学生が1人入ります」
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自 「そ、そうなんですか・・・」
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課 「またよろしくお願いしますね」
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自 「はい・・・」
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つまるところ、Z世代のニューカマーが 収容される 入社するらしい。
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行間を読むと「アルバイトの教育はアルバイトに丸投げする」ということだ。その辺をしっかりマウントしておきたかったんだろう。ありがたいご鞭撻だ。そして小声で
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課 「短期間だからね、コキ使ってもいいわよ、ふふふ」
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自 「い、いえ、そんな・・はは・・」
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額面通りに受け取ると「人が増えてあなたの仕事がラクになるのよ、良かったわね。私はあなたの見方よ」といったところだろう。
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それと同時に自分もこんな風に言われているのは想像に難くない。
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もちろん現実だし、どう思おうがそんなものは個人の自由だ。
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ただカイジの言葉を借りるなら
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思ってるうちはまだしも、口に出したら戦争なのだ(笑)
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