あなたが私にくれたもの

アルバイト

「でも もっと哀しい瞬間に涙はとっておきたいの」の続きです。
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でも もっと哀しい瞬間に涙はとっておきたいの
先日、いつものようにうだつが上がらない顔を引っさげてアルバイトに行くと、薄暗いバックヤードの向こう側からのっそりと二足歩行でやってきたパートの細木さんがおもむろに話しかけてきた。 . . 細 「ハイリさん異動するみたいよ、知ってる?」 自 「そ、そうなんすか・・・・」 . . ・・・ ・・・ ・・・ . どうやらハイリさんが他店に異動するようだ、知らな...

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アルバイト先には個人の私物を入れる事ができる、ちょっとした引き出しのようなものがある。そこに書類が入っていたり、たまに誰かの差し入れのお菓子なんかが入っていたりする。
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ドラクエなら「ちいさなメダル」が隠されている場所だ(笑)
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いつものように「金塊でも入っていないかなー」と邪な気持ちで何気なく引き出しを開けると一枚の手紙が入っていた。
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!?
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ハイリさんからだ・・・
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何だろうと読んでみると、今までお世話になったこと、仕事で助けられたことなどが書き綴られていたのだ。
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手書きの綺麗な字で書かれている、泣けたわ。
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向こうからしたら自分はもう二度と会わないだろう利害関係の無いアルバイトだ。おそらく彼女なりの感謝の気持ちだったんだろう。
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彼女らの世代は、生まれて物心ついたころにはデジタル機器に囲まれているいわゆるZ世代だ。
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Z世代は選ばない 買い物はSNSの「お薦め」 - 日本経済新聞
インターネットやスマートフォンの普及で膨大となった情報に疲れた若者を中心に、日々の買い物でSNS(交流サイト)の存在感が強まっている。自分好みの商品がさりげなくお薦めされるSNSは、疲れず効率的に商品に出合うことができるからだ。こうした仕組みを支える個人情報の活用については社会的な懸念も強まっており、企業と消費者にとっ...

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約束、告白、なんなら退職までありとあらゆるイベントをわずか数バイトのやり取りで処理してしまう。そういうことに抵抗の無い年代でペンや紙とは無縁なんだろうなーと勝手に思っていた。
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とんだ偏見だ。みんながみんなそうじゃない。
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そしてただでさえ自身の異動で忙しいときにわざわざ時間を割いてこれだけの文章をしたためてくれたのだ。
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その気持ちが嬉しかった。
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「終わりよければすべてよし」はあながち間違ってないと思う。いつか自分の人生を振り返ったときにいい思い出として蘇るだろう。
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綺麗事を言うつもりはないが、仕事で得られるのはお金だけじゃないんだろうな。人生には思いもよらないことで報われることもある。
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あ、ダメ出しも一つ書いてあった(笑)
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おわり。
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コメント

  1. マイ より:

    ほっこりと心温まる話でした。自分は管理職なんですが、そうありたいと思いました。皆さんあっての自分だということ、少し忘れかけていた気がします。
    まして文字にのせて伝えることなんて、本当に遠ざかっています。

    • 自分 より:

      ほんとそうですよね。
      なかなか出来る事じゃないと思います。

      赤色に染めた髪の毛と綺麗な手書きのギャップもあってより響きました。
      この子は将来大物になると勝手に思っていますw

      自分も成長させてもらいました。いい上司に恵まれたと思います。

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