「マトリ 厚労省麻薬取締官」を読み終えた。
.
.
マトリとは厚生労働省の麻薬取締官のことで、薬物犯罪捜査のスペシャリストのこと。日本全国で300人程度しかいない少数精鋭部隊で著者はその部門の部長だったそうだ。
.
.
■
.
.
妄想にはいくつかの種類あり、たとえば妻や恋人が浮気をしていると疑い出すのは嫉妬妄想。他にも「誰かに狙われている。俺を殺しにくる、マトリが電波攻撃を仕掛けている!」といった被害妄想、「監視されている。マトリが天井から覗いている!」等と信じ込む注察妄想などがある。
.
.
なぜ地獄のような部屋を出て、助けを求めなかったのか。そう尋ねると女は「見つかったら何をされるか分からないから」と言いつつ「逃げるとシャブが貰えなくなる」とも口にしていた。
.
.
覚醒剤1グラム当たりの末端密売価格は現在6万~7万円。世界中どこを見渡しても、覚醒剤がこれほど高値で取引されている国はない。海外密輸組織の現地での仕入れは価格は1キロ数十万円に過ぎない。
.
.
押収した大麻2万株が全て順調に成熟すれば、計算上は約10トンが採取可能ということになる。乾燥大麻1グラムの末端価格を5,000円とすれば、10トンでは500億円にのぼる。
.
.
「自分は確かにクスリを売っていた。これは悪いことだと思う。でも一つだけ言わせてほしい。日本の若い子はバカだ。日本は豊かで仕事もたくさんあるのになぜクスリに手を出すのか。自分にはとても理解できない。自分達は決してクスリなどやらない」
.
.
以上引用です
.
.
■
.
.
感想は・・・生々しくて一気に読んでしまった。
.
日本における薬物と薬物犯罪の歴史がとても分かりやすくまとめられている。戦後のヒロポンから始まって、暴力団、外国人を仲介する取引から今は Tor と仮想通貨での決済が主流になっているそうだ。少し前にはダークウェブ上のシルクロードというサイトが摘発されたよね。
.
どうしても売りたい人とどうしても買いたい人、そしてそれをどうしても阻止したい人の三つどもえの果てしない攻防戦だ。
最近でも、大物ミュージシャンや元タレントなどが薬物で逮捕された。もはやニュースになっても「はー、そうですか」とそんなに驚かないくらいに枚挙にいとまがない。
.
この上の画像を見て、イスラム国の兵士やテロリストたちは自爆テロを実行するまえに覚醒剤を打って気分を錯乱させるのを思い出した。
.
.
今はアメリカに続いてカナダでもレクリエーショナルな大麻が合法化された。主な理由は取締まりが限界で地下組織に資金が流れるくらいなら合法化してそれを阻止したいのと、大麻ビジネスに課税して税収増に繋げることだ。アメリカの過去の禁酒法の手痛い失敗から学んでいると思う。
.
決してヘルシーで、嗜好品として優れ、依存性がなく、健康被害がないという理由で解禁されたのではないということだ。
.
先日の The JapanTimes のコラムにあった「マリファナチョコを試しに食べてみた」という記事は面白かったけどね(笑)
.
■
.
関係ないがこの著者の写真が渋すぎる、ダンディなおじさんだ(笑)一般人には未知の世界なので非日常のお話に興味がある人はどうぞー
.
「闇ウェブ」「暴力団」「潜入ルポ ヤクザの修羅場」あたりを読んでおくとより一層面白く読めると思います。
.
.
コメント