美意識の値段

読書

「美意識の値段」を読み終えた。
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著者は世界二大オークションハウスのひとつのクリスティーズジャパンの代表取締役社長。もうひとつの有名なオークションハウスはサザビーズがある。ニュースでたまに見るよね。
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「鑑定」と「査定」とは、要は脳内記録に残した「100%」素晴らしい作品を脳裏に描いて、それを基に引き算をしていくことなのだ。
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この「コンサヴァ・プライシング」の狙いはまさにそこで、競りの事前にお得感を持つビッダーを数多く集められれば自然と価格は上がっていく。
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クリスティーズでは、オークションの売却から5年間は真贋保証をしていて、買い手がエキスパートレターを2通用意すればこちらもそのレター内容によって、返金等誠実に対応することになっている。
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要はその顧客にとっては値段等ある意味どうても良くて「今、現在の状態を劣化させずに後世に伝える」「自分は歴史の一部を、ほんの一瞬預かるだけだ」という非常に謙虚な発想から来ている。
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以上引用です
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感想は・・・面白かった。
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アートには無縁で、オークションと聞いてもせいぜいヤフオクで小銭を稼ぐか「なんでも鑑定団」を見てはしゃぐくらいが関の山の生活を送っているが、それでも知らないことばかりで読み応えがあった。
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美意識を高めて真贋を見極める一番の方法は、良いモノをたくさん見る事だそうだ。
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これを見て Garbage in, Garbage out を思い出した。ゴミを取り入れてもやはりゴミしか出せないのだ。
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これは本や食事、人付き合いにも当てはまるかもしれない。いい人やいい本を知らないと本当の「良い」の基準が分からなくなる。やはり審美眼を磨くのにショートカットは無くある程度経験を積むしかないようだ。
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美術品の値段は相場、希少性、状態、来歴によって決まるそうだ。来歴とは所有者の履歴でいわゆるトレーサビリティだ。
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このリストが存在して著名な人が名を連ねていると値段が跳ね上がるらしい。一段上のお墨付きを与えられて信頼度が強化されるからだろう。
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マドンナ → レディガガ → 自分さん → リアーナ
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などは価値が下がるということだ(笑)
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オークションで「貴重な日本美術品を海外に流出させるとはけしからん」と思う人もいるかもしれないが、美術品は日本からのみ出品されている訳ではなくて、もし海外にある日本美術品が日本人に変われた場合は(再)流入に貢献しているともとれる。まさに逆輸入だね。
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あとオランダの天才的贋作作家ハン・ファン・メーヘレンの話が面白かった。興味のある人はどうぞー

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