「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」を読み終えた。
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著者は主に刑事裁判を傍聴して記事を書いているフリーライターだそうだ。興味本位で購入(笑)
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開放的処遇施設と呼ばれる塀のない刑務所は、管理が比較的緩やかなことが特徴だ。千葉県の市原刑務所、網走刑務所・二見ヶ丘農場など、国内には現在4ヶ所の開放的処遇施設がある。
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果物で例えさせてもらいますが、1つでも腐ったものがあれば周りも腐らせてしまいます。生活して気付いたのは大井(造船作業所)はかなり昔から腐っていたということです。
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出頭する気は、大井の問題が明るみに出て改善するということが分かるまでなかったです。最初の方の報道で「大井での指導は問題なかった」と報道されていて怒りの感情が強かったです。
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20日頃、潜伏先に警察が入ってきて屋根裏まで調べず見つからず。
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「刑事さんみたいな人が菓子折りを持ってきましたね。「よく分かりましたねぇ」なんて言われましたけど、こんな自分みたいなスタッフが気付いたのに気付かなかったなんて節穴だなって思いました」
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当時の留置担当だった巡査部長は、内規で禁止されているスマートフォンを留置場に持ち込み、逃走発覚までの1時間半以上もの間、アダルト動画を閲覧していたのである。
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「逃走のニュースが流れた日、子供が小学校に遅刻しそうになっていて車で送ったところ、検問の関係で渋滞に巻き込まれてかなり遅刻してしまったんです。泣きそうな顔で校門に駆け込んだところ、NHKかどこかの局のカメラが回っていてその様子がニュース番組で流れたんですけど「小学生が怯えて登校しています」とナレーションがついてて家族みんなで大笑いしてました。ただ遅刻して怒られそうだったからなんですけどね」
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仕事を辞めて日本一周していると話すようにしていました。本当の経歴、資格を話すこともあれば、理想とする自分を話しているときもありました。
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手記の情報に基づけば、山本は逃走中に全部で5回も警官から声をかけられたことになる。しかし、その職質を彼は全てかいくぐっている。
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「破獄」の佐久間清太郎、「ゴールデンカムイ」の白石由竹のモデルになったのは昭和の脱獄王と呼ばれた白鳥由栄である。
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青森を皮切りに秋田、網走、札幌と4施設からの脱獄に成功し、合計3年間も逃げ続けていた。その脱獄には彼の執念深さ、そして特異体質が存分に発揮されている。
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彼の特異体質は単に運動神経が良いというだけではない。ひとつは、手足の裏の皮膚を伸縮させ吸盤のようにできること。もうひとつは身体中の関節を自由に外せることだ。
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現在の日本においては、保釈された者が逃走することそのものは罪に問われない。保釈保証金、それのみが保釈後逃走の抑止力として機能している現在の日本の保釈制度は「保釈保証金を没収されても構わないから逃げたい」と考える者には全く意味がない。彼らにとって保釈保証金を支払うことは、いわば逃走のためのパスポートを手に入れたことと同義なのである。
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被疑者も被告人も、受刑者も出所者も全てが危険人物扱いされまた彼らを「自分の生活を脅かすリスク」だと捉えているふしがある。自分がその立場になったらという視点は、なぜか被害者に対してだけ適用されがちだ。
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以上引用です
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感想は・・・面白かった!
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世間をにぎわせた逃走犯は、どうやって刑務所や拘置所から逃げおおせて、どのような逃走生活を送っていたのかがよく分かる。メディアやネットニュースでは分からない人物象がとても興味深かった。
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つまるところ、「逃走中」だ(笑)
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イメージ通りの悪人もいれば、とんでもなく真面目な人もいる。世の中には色々な人がいるように、脱走犯もまた例外ではないんだろう。
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確かに読んでいくと、警察のあり得ないような怠慢ぶりで逃走犯を逃してきたのは事実なんだろう。その一方で大多数の警察官は、日々真面目でひたむきに勤務しているのも忘れてはいけないと思う。
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逃走が成就したのは、運やタイミング、いくつものミラクルが複合的に合わさった結果でもあるよね。真夜中に瀬戸内海を泳ぎ渡れるなんて強運としか言いようがない。
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あと、皮肉なことに大井(造船作業所)の例などは、脱走犯が取りざたされたからこそ刑務所内の閉鎖的なカルトが明るみに出たんだよね。
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もう一つは保釈保証金の問題だと思った。
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とどのつまり、カネを積めば逃げられるシステムだ。
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海外だと保釈保証金会社があったり、GPSで監視されて逃走すると罰せられる国もある。ちなみに、保釈中に姿をくらました人は遁刑者(とんけいしゃ)と言うらしい。
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取材当時に、受刑者や被告人の中で一番人気の書籍は百田尚樹さんの「海賊と呼ばれた男」だったそうだ。あとは東野圭吾や宮部みゆき作品も定番らしい、へー
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読後は網走にある「博物館 網走監獄」に行ってみたくなった。
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脱獄はダメ、ゼッタイ!(笑)
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