バックヤードに入ると、おもむろにハイリさんに呼ばれた。
.
.
ハ 「自分さん!ちょっといいですか?」
自 「は、はい・・・」
.
.
大体ハイリさんがこのトーンで呼びかけてくるときは、雑用か雑用か雑用しかない。イヤな予感ではなくこれからイヤな事が起こるのだ(笑)
.
.
ハ 「知り合いで誰かここで働きたい人とかいませんか? このグループでは3人ほど募集してるんですが人が集まらないんです」
自 「そ、そうなんすか」
.
.
■
.
この某巨大施設も、他の業種と同じでかなりの人手不足らしい。
.
先日、同系列の施設がリニューアルオープンしたときにはアルバイトが半分くらいしか集まらなかったらしい。あと一度ここで働いた事があって辞めた人も積極的に再雇用するそうだ。
.
そういえばロッカールームにつながる通路には目立つところに「パート・アルバイト60人大量募集!」のポスターが「最低賃金を守りましょう」の標語の横にこれ見よがしに貼られている。
.
こんな田舎で60人なんか集まるんだろうか。
.
■
.
先日バイトの時給が上がったのも「使い捨て非正規労働者」、いや歯車にすらなれない「コマ」を他に取られないようにする意味合いが大きかったんだろう。
.
わずか30円のベアで見えない足枷をはめられてしまったのだ(笑)
.
[41] じ、時給が上がった!
今日もいつものように死んだコオロギのような目をしてバックヤードに入るとハイリさんがいた。もうすでに帰りたくてしょうがない。
.
.
ハ 「おつかれさまです。自分さん、雇用契約書が置いてあるので書いて持って来て下さい。」
自 「は、はい」
.
.
■
.
自分は生粋の「やんごとなきアルバイト」だが、最初の入社時に雇用主と雇用契約書を交わしている。雇用契約書には時給や...
[42] じ、時給が上がった!(2)
雇用契約書が入っている封筒を開けて中を見てみた。
書類を手にとり血眼になって「時給」の欄を探す。
.
.
時給・・・
ジキュウ・・・
JIKYUU・・・
.
.
.
時給30円アップ!
さ、三十円・・・
今はもうビックリマンチョコすら買えない(笑)
.
■
.
つまり今まで時給1,060円だったのが1,090円に上がる。
....
.
あいにくここで働きたい知り合いはいない。この年なら周りはフツーにみんな正社員で働いているだろう。
.
・・・
・・・
・・・
.
さらに時給を上げてくれないだろうか(笑)
.
.
コメント