ミッキー17(2025年/アメリカ)
.
.
人生失敗だらけの“ミッキー”が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事。しかし、それは身勝手な権力者たちの過酷過ぎる業務命令で次々と死んでは生き返る最悪の仕事だった。搾取されるミッキーの前にある日、手違いで自分のコピーが現れ(U-NEXTより)
.

.
監督は「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ。主演は「テネット」のロバート・パティンソン。
.


.
最大のブレークスルーは何度も生き返れるリプリントではなく、体と記憶(心)を分けて再生できるテクノロジーだと思う。
.
ミッキーはミッキーの体にミッキーの記憶をアップロードして、ミッキーとしてしか再生できないのではなく、第三者がミッキーの記憶、つまるところミッキーの人生を追体験できる。
.
なんて話、世にも奇妙な物語にもあったような。
.
不老不死はある意味ブラックコメディに違いない。
.
■
.
この本「恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで」から
.

.
不老不死に関する暗黙の了解として、当人以外は誰も老いと死を避けられない。物質もまた年月を重ねれば劣化し朽ちていく。当人「だけ」が時間を超越して存在し続けるという前提が成立している筈だ。言い換えれば、当人の前で家族も友人も恋人も次々に老いて亡くなっていく。付き合う人間は交代していけども、彼らはいずれも老いに飲み込まれ冷たい土に戻っていく。ひたすらそれが繰り返される。そんな状況にあって、自分だけが老いや死と無縁でいられることを幸福と思えるだろうか。不老不死であるというよりは、単に現世に取り残されているだけのように感じられてくるのではあるまいか。
.
.
人生は有限だからこそ懸命に生きる。
.
なんだか「風の谷のナウシカ」感もありました。
.
興味のある方はどうぞー
.
.
コメント