「サブスクリプション」を読み終えた。
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ざっくり言うと、製品やサービスを丸ごと一度購入して終わりじゃなくて、欲しい量や時間を欲しいときだけ定期的に利用していけるサービスのことだ。Saas に近いかもしれない。
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動画、音楽、ソフトウェア、ニュースなどのデジタル物はもちろん、自動車や飛行機での移動、ギター、重機の使用といったアナログのものまでがサブスクリプションビジネスに変化してきている。
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ミレニアル世代は車に乗りたいのであって、自動車を所有したいのではない。ミルクが飲めればよいのであって、牛を飼いたいわけじゃない。カニエ・ウェストの新曲は聞きたいがレコードが欲しい訳じゃない。
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ネット小売業がリアル店舗に進出している。興味深いのは各社がリアル店舗に客を誘導するために、Eコマースサイトから商品を取り下げ始めていることだ。
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新しい勝者は、リアル店舗をネット店舗の拡張スペースとして利用している。その逆ではない。
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米国の3000万人以上が音楽ストリーミングサービスにお金を払っており、米国の音楽ビジネスの売上の半分以上を占めている。
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サーフェア(飛行機のサブスクリプションサービス)の利用料は月額2000ドルで、世界に2億人以上のフリークエントフライヤーがいる。
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購読料売り上げは広告料売り上げよりはるかに安定している。
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スゥエーデンには120以上のエネルギー供給会社があって、ほとんどの顧客は複数の電力会社と受給状況に応じて1時間単位で変わる料金契約を結んでいる。
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全加入者の70%以上が基本パッケージに留まっているようなら、早晩立ち行かなくなる。
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[Churn] チャーン。解約のこと。
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昔、Macromedia (のちに Adobe に買収される)という会社から Shockwave Flash というネット上でアニメーションを作れるソフトがあって自分はバージョン2から使用していたハードユーザーだった。
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当時はもちろんパッケージ版しかなくて数万円くらいしたと思う。しかも毎年アップデートがあるから、最新版についていくのにお金を貯めておかないと大変だったのを覚えている。
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そういうビジネスモデルは時代遅れということだ。
高価な物を購入(所有)して「やっぱり自分に合わなかった」は悲惨だ。
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ユーザーからしてみれば、支払いモデルがたくさんあってそのサービスの利用量ベースで課金されるのは便利だよね。イヤなら途中で解約も簡単にできる。
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ちなみに、有料でサブスクライブしているのは The Japan Times Alpha、Amazon Prime くらいか。有料となると意外と無い(笑)
企業側からしてもアップグレードやサービスの追加が即座にできるので、変化する顧客ニーズにこたえやすく、自然とユーザーの満足度が高まっていくということだ。
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あと毎年の収益の予測が可能になるので、年初ごとに「売り上げゼロ」からはじまるビジネスモデルにおさらばできる。
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最初は単純に「キャピタルゲインじゃなくてインカムゲインを選ぶこと」「にわとりを殺さずに卵を産ませ続けること」くらいに思っていたが、奥が深くておもしろかった。
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