50歳からの美食入門

読書

「50歳からの美食入門」を読み終えた。
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本屋でぷらっとな。タイトルと帯買い。
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お店でご飯やお酒を楽しむことは、統計上では平均して月に2~3回。もしその機会があと20年だとするとわずか500~700回程度です。
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食べログがブームになると、匿名ということもありお店を貶める投稿も多くなっていきました。完全な誤解や根拠のない誹謗中傷があってもそれに対して発言の手段を持たない店舗は困惑します。徐々に「店>客」という構図が「店<客」に変わっていきました。それに伴い、私が経験したようなお店側からのアドバイスも減ったわけです。 .
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[シェフ] よくテレビやウェブ上で、何でもかんでも料理人をシェフと呼んでいたりしますが間違いです。この呼称は料理長ただ一人に用いられる重くて意味のあるものなのです。
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[ABF Capital] 2020年に創業した飲食店に特化した投資ファンド
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[ベルケル] イタリア製生ハムスライサーのブランド。スライサー界のフェラーリの異名を持つ高級品。
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「グラスが空になるのは僕らの負けです。この料理に合わせて次のワインを飲みたいのに、グラスが空だからと食べるのを待たせたらレストランとしてよくないんです。中には、こちらが忙しいときはゆっくり飲まれる方もいます。で、最後の一口、もすごい大きなジェスチャーで飲み干す」
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「このままだとアラカルトのお店は潰れていく一方です。今、お一人様最低何品はオーダーしてください、という店が多いです。例えばお客さんが4人で来ても前菜2品、パスタも1人前しか頼まない。そんなにお腹が空いていないですからって。2週間前に予約しているのにですよ」
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明らかに勘違いなのですが、日本料理やフレンチのようにマナーで悩むこともないし座ってしまえば勝手に酒に合う肴や握りが出てくる。スタッフはみな笑顔で優しくしてくれる。鮨屋はお金さえあれば極めて敷居の低いジャンルとして認識されている気がしてなりません。ですから平気で短パンで訪れたり、帽子を脱がなかったり、大声でバカ話をしたりインバウンドのお客さんのほうがよほどきちんとしてますよという有名店の親方の嘆きを聞いたこともあります。
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鮨屋のご主人を大将と呼ぶのは関西方面のみです。関東では親方が正しい名称になります。
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ジビエに関しては、実は日本が世界で一番美味しいともいわれています。シェフの腕はもちろん、捕獲後の処理が適切なのも大きな要因です。猪や鹿、熊、鴨といったところが有名ですがヌートリアやトドも注目のジビエです。
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常連の定義は様々です。一般的には3回以上通うと「その店を好きな人」に分類されるようで、ある外食コンサルタントは「3回以上通っている客は放っておいていい。絶対また来るんだから。それより2回目にくる、常連になるかならないかの客を大事にしなさい」とお店に教えていました。ただ、単に通っているだけでお店と接点がないと「なじみの客」というジャンルになります。
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プロはレシピ通りに作っても、同じ味は出せないということをよく知っているので秘密にしません。
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以上引用です
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著者は「東京最高のレストラン」の編集長。
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店の情報や選び方だけでなく、食ベ方に関するアレコレ、特に店側から見る「かっこいい客といい客」が面白かった。
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自分自身、去年から食べ歩いてはや2年。こんなにハマるとは思わなかった。
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大きな理由はふたつあり、ひとつは知的好奇心がくすぐられること。
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もうひとつは、若い頃ほど量が食べられなくなったこと。その分「質」に重きを置くと、今まで行ったことのないような店が選択肢に入る。悪あがきといいますか。そういう理由の人も多いんじゃないだろうか。
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カウンターの鮨屋の話が出てくるけれど、自分が初めて経験したのは去年だからね。
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奥が深い世界だなーと常々思う。
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共感できたのはこの2つ。
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そもそも、気に入らなかったら悪口など書かないで、二度といかなければいいじゃないか。
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死ぬほど感動することもあればそれほどでもないこともある。そもそも合う合わないもある。
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高い店だからといって、誰もが美味しい(口に合う)わけじゃないし、価格が10倍だからといって10倍美味しくなるわけでもない。
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むしろ尖ってくるほど他店との差別化は図れる一方で、旨味の最大公約数からは遠ざかる。
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そして人の脳は価格に比例して美味しく錯覚できる反面、コストの分だけシビアな評価にも成り得る。
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「え?」っていうこともある(悪い意味で)その経験をどう消化できるかがひとつの美学だと思っている。
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店に行くきっかけは誰かのベンチマークだったとしても、実際に咀嚼して感じるのは自分自身なわけで。
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「おいしさ」の錯覚
「おいしさ」の錯覚を読み終わった。 . . 著者は2008年のイグノーベル栄養学賞の受賞者だ。大変興味があったので購入。原題は GASTROPHYISICS: THE NEW SCIENCE OF EATING . . ■ . . 舌に地図などない。味蕾のどれもが5つの基本味すべてを感じることができる。しかし、味蕾は舌の前部、後方の両側、そして後部にしか存在...

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あるフランス料理の一斉スタートに遅刻した外国人がいた。その3人組は何食わぬ顔で席に着き、店に不相応な声量で話している。
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食事を終え、帰ろうとすると玄関先でサービスに平謝りされた。
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いやいやいや、店は100%悪くない。
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こちらが申し訳なくなった。もしこういう感じで店側が悪い評価を付けられているならいたたまれない(食事は大変美味しかった)
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価格帯を問わず、店とサービスには最低限のリスペクトを払うことだ。
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最後に印象に残ったところを。
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何より大事なのは、味が分かる、分からないより自分の姿勢でしょう。なんのために店に行くのかということです。評価の基準は人それぞれですが、ネガティブな姿勢でいるより「あのソースが美味しいのは何でだろう?」と知的好奇心を刺激したほうがどれだけ楽しいことか。二度と行かないにしても何かは自分の財産を増やして帰りましょう。
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スマホをいじるのではなく、お店を見ましょう。ひとりだと大体カウンターになりますが、ぼーっとでいいので厨房の様子を眺めて下さい。必死に働く若者の姿をほほえましく感じたり、料理人の技に感嘆したり、複雑そうな人間模様に想像を膨らませたり。ある意味、最高の肴になりますし、お店っていいなあとつくづく感じると思います。
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ちなみに掲載されている店は東京ばかり。
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いつか行けるかな。

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