「あの荷物どうすればいいですか?」
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「この端末の使い方が分からないです・・」
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自分と同じ夜のシフトで働いてる男性の大学生だ。
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首からぶら下げている社員証ケースの「見習い中」シールから察するにまだ入社して数週間くらいだろうか。
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う、うーむ・・・
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・・・
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何かがおかしい(笑)
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今まで質問されたこともなければ、ほとんど話したこともない。
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社員さんからちらっと聞いた話では、あまりやる気はないタイプで、未だに基本的な端末の使い方も分からないようだ。
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別に学生アルバイトなので最低限の仕事さえこなしていればクビになることはないんだろう。歪な人口ピラミッド、つまるところ、人口オーナスを逆手に取った生存戦略とも言える。
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思いあぐねていると、バックヤードの暗闇から我が店舗が誇るフロントマンで、元FSB諜報員でもある細木さんが鼻息荒くやってきた。
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細 「新しく大学生の女の子が入ったのよ!あの子(大学生の男性)なんか張り切っちゃってるわね、ふふふ」
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自 「そ、そうなんすか・・」
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・・・
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分かりやすいな、おい!(笑)
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それと同時にこの人の「人間のアヤを見つける観察眼」には敬服してしまう。
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女性にいいところを見せたい、尊敬されたい、つまるところモテたいと。
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口外できるほどかっこいい理由では無いかもしれないけれど、真っ当な感覚なんじゃないかな。
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あまつさえ、後から入社してきた人より仕事ができない事を恥ずかしいと思えるくらいのプライドはあったということだろう。
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何はともあれ、この子(男子大学生)にとってこの子(女子大生)の存在はプラスに働くのだ。
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きっかけさえあれば人は変わるし、成長できるんだろう。
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そんなお話でした(笑)
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