バックヤードに行くと大体誰かがいて、引継ぎの仕事を教えてくれる。その日もいつも通り気だるさ満点で行くとチワワさんがいた。
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自 「お、おつかれさまです」
チ 「あっ!・・・・・・おつかれさまです」
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チワワさんは自分の顔を一瞬見ると、すぐに目をそらして向こうを振り返って何かをし始めた。いつもは普通に挨拶をしてその日の仕事の引継ぎの話をしてくれる。
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?
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もしかして自分が何かやらかしてしまったか、それとも「リーダーの事は嫌いでも、自分を嫌いにならないで下さい」など罰当たりな事を考えていたから、ツケが回ってきてとうとう自分まで嫌われてしまったか。
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脳内をひたすらスキャンチェックしてみるが何も出てこない。
いや、何か違う・・・
もう一度どさくさに紛れて、チワワさんのほうを拝み倒すような気持ちでちらっと見てみる。
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・・・
・・・
・・・!
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す、すっぴんだ。
違和感を感じたのはこのためだ。
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なぜか分からないがこの日はすっぴんだったのだ。それでおそらく人とあまり顔を合わせたく無かったんだろう(と思いたい)念のため、脳内でもう一度「バイト やらかす」で検索をかけてみるが何も出てこない。
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それでも引継ぎの内容を教えてもらわないと、今日の作業が分からない。下手をすればニヒルマンに P+K+G からの ←↓PK ←P をくらって「10年はやいんだよ」と言われてしまう。視線を落としながら聞いてみた。
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自 「あ、あの・・・」
チ 「今日はこの作業をして下さい。それじゃ、お先に失礼します」
自 「は、はい」
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少しうつむきながらそれだけ言って、バッと振り向いてスイングドアを蹴り破って(うそです)帰ってしまった。
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・・・
・・・
・・・
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なんだ、ただの美人か(笑)
普通に逝ってしまいそうだ。
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「ダメなやつは何をやってもダメ」という言葉があるように、「美人は何をどう転んでも美人」なのだ。
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