ケーキの切れない非行少年たち

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「ケーキの切れない非行少年たち」を読み終えた。
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非行少年(少女)は普通の少年たちと比べて圧倒的に「見る力」と「聞く力」が劣っているらしく、知的障害と発達障害の境目(境界知能)にいるような子たちが一番多いらしい。
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つまり普通の認知行動(読む、数える、写すなど)が出来ないので、治療の効果があると言われている認知行動療法が効かないということだ。
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特に自閉スペクトラム症をもった非行少年は独特のこだわりを持っている感触がある。そのこだわりがいい方向に向けば素晴らしい偉業を成し遂げることに繋がったりするが、「人を殺してみること」という方向に向いたなら、それを消すことはなかなか難しい。
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矯正施設への見学者にはときどき現役の女子大学生も来ます。そのようなときは少年たちの目つきが変わります。強制猥褻をやった少年の中には顔を真っ赤にして「先生、夜まで我慢できません」と訴える少年もいました。女子大学生の姿を目に焼き付けて、後で自慰行為をするのです。
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聞く力が弱い → 友達が何を話しているか分からず話についていけない
見る力が弱い → 相手の表情やしぐさが読めず、不適切な発言や行動をしてしまう。
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2017年に新しく刑務所の入ってきた受刑者19,336人のうち、約20%が知的障害者で、軽度知的障害相当であれは約17%、また約34%が境界知能に相当している。
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問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにあります。何もできないのにえらく自信を持っている。逆に何でもできるのに全然自身が持てない。等身大の自分を分かっていないことから問題が生じるのです。
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この絵は衝撃的だった。
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左の図を同じように写すという問題だが、全く書き写せてないし本の帯にあるように丸いケーキを三等分にもできない。
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普通の人と見えているものが違うそうだ。
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見えているものが違うということは、普通の人とは違う世界に生きているような感覚だろう。正直な感想を言うとやっぱり恐ろしい。だってそもそもの見えているものが違うんだから。
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ちなみに基本的な認知力を高める教育方法としてはコグトレと言われるトレーニングが効果があるそうだ。
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毎日のように普通の感覚では理解できないような事件がニュースをにぎわせているけど、この本を読めばなぜそうなるかを論理的に多少は理解できると思う。興味のある方はどうぞ。
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宮口 幸治                    

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