「トリとロキタ」を見終わった(2022年/ベルギー)
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アフリカからベルギーへやってきたトリとロキタ。ロキタは祖国にいる家族のため、ドラッグの運び屋をして金を稼いでいる。偽りの姉弟としてこの街で生きる2人は、どんな時も一緒だ。正規の仕事に就くため、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始めるが(U-NEXTより)
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見るしかない。
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めちゃくちゃ面白かった。
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ロシアはウクライナに侵攻して、イスラエルとハマスはミサイルを撃ち合い、アフリカでは内戦が起きている。加えて気候変動の影響で、やむなく故郷を追われた気候難民も増えているよね。
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Alpha で読んだ記事によると、スーダンでは人口の半数の2,500万人が人道支援を必要としていて、そのうち600万人が国外へ逃げているそうだ。
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つまるところ、歴史上難民の数が最も多いのは今なのだ。
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まずね、アフリカからヨーロッパに渡るという困難が待ち受けている。
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いわゆるボートピープルになって自力で海を渡るか、ブローカーに多額の仲介金を払って新天地を目指すか、どちらも運を天に任せるという意味ではそんなに変わらないだろう。
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とどのつまり、トリとロキタはたまたま運がよかったのだ。
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EUは世界で一番「人道的」だと言われているけれど、近年は資金面と右派の台頭でその理念も揺らいでいるんだよね。無事に辿り着いた先でも普通の生活を送れるのは、母数からみれば僅かだろう。
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命を賭して辿り着いた新天地で、人生を立て直すどころか違法行為に手を染め、同胞から搾取され、挙句の果てに家族からも疑われる。
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視聴後は正直、トリとロキタの境遇に共感して寄り添える人、一方でやはり難民は恐ろしいと忌避する人に分かれるだろう。
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それでも観てみることで関心が向くのはいいことなんじゃないかな。
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とてもいい映画でした。
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