「生きる言葉」を読み終えた。
.
.
著者は歌人の俵万智さん。サラダ記念日しか知りません・・・ちなみに俵万智は本名!まじっすか。
.
.
■
.
.
村の道なら、すれ違いざまに肩が触れたとして「あ、ごめん」と顔見知り同士が軽く会釈をすればすむ。それがネットでは大事故になったりする。相手のバックグラウンドを知らないまま始まる言葉の応酬。そもそも前提としている常識が違えば互いに「なんて非常識な!」ということになる。イメージとしては違うルールで高速道路を走っているようなもの。さらにSNSの場合、事故で燃えている車があるという情報が広がると、消化活動よりも何故か油を注ぎに来る人が群がるという傾向がある。便利でやっかいな時代をわたしたちは生きている。顔の見える関係が広がった先に、さらに顔の見えない関係が追加された。
.
.
イワサキクサゼミというハエくらいのサイズの蝉を、生きたままブローチのように胸に付ける遊びがある。地面にたたきつけて蝉を気絶させるのだが、力が強すぎると死んでしまうし弱いと逃げられる。どこまでが効果的で、どこからがやりすぎかは、何度も試して覚えるしかない。何事にもそういう力加減は必要で、たとえば言葉を扱うときにも大事なことだろう。
.
.
電子機器の扱いに長けていることと、それを用いたコミュニケーションに長けていることとはまた別の話である。
.
.
川原先生が言語学的にも素晴らしいとしばしば出される例として「ケッとばせ ケッとばした歌詞で Get Money」というのもある(ヒップホップではラップすることを「バース(verse)を蹴る」と言います)
.

.
五音七音にのせると、なぜ日本語はこんなにも気持ちよく調子よくなるのか、その「なぜ」は解明されていない。が、日本語をリズミカルにする魔法であることは確かなのである。「誰が使ってもうまくいく魔法なんて」と思うか、「そんないいものがあるなら使わない手はない」と思うか。ラッパーや詩人は前者で、歌人や俳人は後者である。どちらがいいとかいうことではなく、どちらの道を選ぶかの違いだ。
.
.
最期に誇りを持つこと。これも、とても主観的なものさしだ。誇りを持つとは、つまり、自分の人生を肯定するということ。ただむやみに楽天的というのとは違う。自分にも他人にも、恥ずかしくない生き方ができていると感じなければ誇りはなかなか持てない。確かに、そういう人が賢くないはずがないと思わせられる。
.
.
時々、この和泉式部タイプの「宿ってしまった歌」に出会うことがある。条件は2つあって、一つはやむにやまれぬ衝動があること。どうしてもこの思いを言葉にしたいという強い気持ちが根底に必要だ。そして二つ目は、空想や伝聞ではなく、ゼロから全部手順を踏んで自分でたどりついた境地であること。つまり、人生の手元がかかっていることである。
.
.
器に対して、濃すぎても薄すぎてもよくない。適切な濃度の中でこそ、言葉は生きるのだ。これは短歌に限らず、どんな場面でも大切なことだろう。400字詰め原稿用紙一枚で書けること、三分間のスピーチで言えること、半日のデートで伝えられること。それぞれの器に対する濃さの程良さが、もしかしたら具体的な文言以上に結果に影響する。
.
.
以上引用です
.
.
■
.
.
幼少の頃から本や言葉が好きで国語の教師に。そして歌人へ。
.
読んだ限りでは、お子さんはいるけれど未婚?人生観を通しての言葉に対する向き合い方が素敵だった。
.

.
「クソリプの分類図」を初めて知った。
.
.
「どんな当たり障りのないツイートも、拡散されるとクソリプがくる」という法則を、クソリプを通して分類したもの。
.
元の発言に何の落ち度もなくても、不特定多数の届いていく過程でクソリプの危機に晒されると。
.
ユニークなものに収束されるという点では、この本の「膨らむバイアス」にも似ている。
.

.
人間っていいよな。
.
文字制限を140字以内から、2,000字以上にすれば解決する(たぶん)
.
■
.
先日、DMでやり取りする機会があった。そのとき感じたのが、瞬発的に発する力が圧倒的に足りないこと。
.
慣れていないのもあってインスタントなやり取りが苦手。書き言葉というより話し言葉。こういうスキルも必要だと思う、バランスだ。
.
.
最期に印象に残ったところを
.
.
言葉は、この世界のモノや人の心を捕えるのに完璧ではない。完璧ではないけれど、なんとか私たちは日々言葉を用いて生きている。誤差が小さくなるように心がけたり、受け取る時にもズレがあることを意識したり、背景を想像したり。その際に大事なのは、言葉とはそもそもそういうものだということを、どこかで覚えておくことだろう。
.
・・・
・・・
・・・
.
ここで一句。
.
何万文字の 螺旋をどれほど読もうとも 我満足無かりけり紙を貪る(自分)
.
どう?どう?字余り?(笑)
.
*15分ほど考えました
.
.


コメント