「笑う大天使」を読み終わった。
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感想は・・・めちゃくちゃ面白かった!
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川原泉さんの漫画を読むのは「美貌の果実」に続いて2つめだった。
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おそらく連載当時(1987年 昭和62年)はスマホはもちろんインターネットもなく、身近にある一番確実な情報源は本だったんじゃないかな。その中でも信頼できるのは図鑑や専門書の類だろう。
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数学、英語はもちろん、はたまた哲学や神話、宗教に至るまで、まるで知識の底なし沼だ。
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控えめに言ってもインテリ、いや超インテリだ。
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生まれ持った能力にくわえて、並外れた好奇心をお持ちなんだろう。
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読後に調べて見ると「花とゆめ」に連載されていたそうだ。これは小学生向け(中学生?)だったのかな。
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もしそうだとしたら、ちびっこにアンシャンレジーム、ソープランド、妾宅は理解できないだろう。
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これはすごいことだと思うわ。
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子供の頃、週間少年ジャンプが大好きで「こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)」の連載を楽しみにしていた。
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この漫画も少年誌にもかかわらず麻雀や競馬、スミス&ウェッソン(短銃)が登場して、両さん(主人公)がそこかしこに乱射する(笑)今ならモンスターペアレンツが舌なめずりしそうな内容だ。
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それでも、子供は大人が思っているほどバカではなくて、少し大人びた言葉や言い回しでも想像して噛み砕こうとするんだよね。
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「意味はよく分からんけど、面白そう」と。
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分からないなりに自分のイマジネーションで補完しつつ、楽しみながら学んでいく。そしてその「少し背伸びした感」に嬉しくなるんじゃないかな。自分の場合はそういう感じだったな。
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たくさん笑わせてもらった中でも、一番腹を抱えたのはムギチョコの件だ、ひー(笑)
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あとね、食べているときの擬音が「モグモグ、パクパク」じゃなく「むぎゅむぎゅ、もきゅもきゅ」なんだよね。こんなオノマトペは少年漫画にはない、すごい!
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登場人物で一番好きだったのはコロボックルちゃん、いや更科柚子さんだった。ぎゃー、可愛らしい!
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ちなみにファミコンの「オホーツクに消ゆ」にコロポックリという居酒屋が出てくる、これはどうでもいい。あとダミアンがいい味を出している。
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少し分からかったのはオスカルとアンドレの件だ。あれはたぶんベルサイユのばら?なのかな。
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この文庫版には最後に解説があって、それもすごくよかった。色々な視点があるよね。
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最後に特に印象に残った言葉を引用させてもらうと
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史緒さんの場合、恥じ入る心がある分だけまだマシである。つまり「無知の知」
最悪のケースは「お嬢様もどき」のくせに何か勘違いしてる奴。これは「無知の無知」
では本物の場合はとゆーと、それを意識せず自然に本物なのでさしずめ「知の無知」とでも申せましょーか?
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すごい!
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自分のような、男性で少女漫画はほとんど読んだことがない人でも楽しめた。
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理由のひとつは、単純な Boy Meets Girl, Break Up, Boy Marries Girl じゃないからだろう。
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とても面白かったです。世界が広がりました。
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コメント
感想とっても興味深く拝見しました。記事をありがとうございます。
影響されて私も久しぶりに読んでみました。
これに限らずなのですが、昔読んだ本やマンガを久しぶり読むと、時の経過で感じ方や笑うポイントが結構変わっている自分にちょっと残念な気持ちになります。
でも相変わらずダミアンの ケンタッキーフライドチキンだ 15ピース入りだ 人生って素晴らしい とかで笑っちゃうんですけどね。面白いけど自分の中ではちょっと違うのです。
川原さんは1/4スペースも面白かったので、ワタシの川原泉シリーズでは復活掲載しているらしいので買い直したいなあ。
「笑う大天使」めちゃくちゃ笑いました!
30年以上前の漫画なので、絵柄や内容でギャップを感じる部分は少しありましたけれど、わたしは初めて読んだので新鮮でしたw
そうですよねー
大人になって見返しみて「こんなのにハマってたんだ・・」と拍子抜けすることもありますよね。ユーチューブで、昔のゲーム動画を見てそんな感覚になることがあります。
それだけ子供の頃に受ける印象が強いのか、それとも自分が成長したのか・・う、うーむw
こちらこそありがとうございました。
無知の知、読んだ当時やっぱりすごく影響受けたなぁと思い出したりしました。そういえば川原さんの影響だったんだー!って。
川原泉さん好きの間で『笑う大天使』はダントツで人気ある印象で、あとは『バビロンまで何マイル?』や『中国の壺』やエッセイ系が人気ある気がします。ストーリーとは別にとっても分かりやすく他の知識も得られるのも魅力かなあ。
取り上げてくださってありがとうございました。改めて色々気付くことができました。(^ ^)
そうなんですねー
この本はアマゾンで買ったんですが、レビュー数がダントツだったと思います(レビューはみていませんよ)きっと川原作品の代名詞というかフラッグシップなんですね。
自分のブログに興味を持ってくれる方の興味ある作品に興味がありますw
「共通点はどこなんだろう」とw
似たような好みのときもありますし、全く違うジャンルのこともあるところが面白いと思います!
たしかに共通点や、それぞれが何に惹かれているかなど気になります。アンケートなど出来たら面白いかもしれませんね。
はい。何か新しいことができたら面白いですよね。
また少し調べてみようと思います。