「17歳の瞳に映る世界」を見終わった(2020年/アメリカ)
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オータムは愛想がなく友達も少ない17歳。ある日、オータムは予期せず妊娠したことを知る。ペンシルベニア州では両親の同意なく中絶手術を受けることができない。オータムはいとこで唯一の親友・スカイラーと2人で事態を解決するためN.Y.へ向かう。
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原題は「Never Rarely Sometimes Always」で、Alpha のシネマ倶楽部で読んで見たかった映画。
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リアルすぎて見ていられない。
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目を背けてしまう。
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アメリカでは、今年の6月に妊娠中絶を女性の権利だと認めて、人口妊娠中絶を違憲(ロー対ウェイド裁判)とする連邦最高裁判所の判決が覆されたんだよね。現在も大きな論争になっている。
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その結果、現在中絶を禁止する州が3分の1ほどある。
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つまるところ、望まない妊娠(性的暴行や近親相姦など)をしたら隣の州まで移動しなければならない。
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日本で例えるなら「東京と大阪でしか中絶手術はできません」みたいな感じだろうか。
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裕福な人は、滞在費から手術費に至るまで全てを賄うことができる一方、そうでない人は我慢したり、最悪自分で堕胎する場合もある。そもそも前者は教育を受け知識があるので好まない妊娠はそうしない。
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そして病院も逼迫してパニックになると。政治的、宗教上の信念が強い印象だけれど、もし「人口増への触媒」だと考えるなら途方も無くお門違いだよね。
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中でも一番印象的だったのは、そうはいいながらも行きずりの男性とキスをして帰りのバス賃を捻出するシーンだ。
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つまるところ、男性を嫌悪しつつ、男性に媚びを売る。
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残酷な現実を伝えきっているシーンだと思う。
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それにしても、あのアルバイトの職場は酷すぎる・・あり得んわ(笑)
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Never Rarely Sometimes Always の意味はぜひ映画を見て欲しい。
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いい映画でした。
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