「私、オルガ・ヘプナロヴァー」を見終わった(2016年/チェコスロバキア)
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銀行員の父と歯科医の母を持ち、経済的に恵まれた生活を送る内気な少女・オルガ。父親に何度も殴られ、厳格な母親に育てられた彼女は、13歳の時に大量の精神安定剤を服用し自殺未遂を起こす。その後、彼女は精神病院に収容され、激しいリンチを受け(U-NEXTより)
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実話を元に作られた映画らしい。
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時代は1973年のチェコスロバキアで、全編白黒映像になっている。
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背景が分からなかったので調べてみると、チェコスロバキアは1993年にチェコ共和国とスロバキア共和国に分離、解体されたそうだ(ビロード離婚)
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現在チェコスロバキアという国はなく、共産主義体制崩壊をきっかけに文化や民族、宗教の違いからそれぞれ独立して別の道を歩んだと。
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ちなみにウイキペディアによると、1990年にチェコスロバキアとして死刑制度を廃止しているようだ。
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当時はソ連の息がかかった東欧の共産国のひとつだった。
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おそらくかなりの監視社会だったにも関わらず、危険分子として秘密警察に拘束されることもなくこれだけの事件を起こせたことにまず驚いた。
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かつてポーランドが「スパイ天国」と呼ばれていただけあって、東欧は東ドイツやソ連ほど厳格な社会でなかったのかもしれない。
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途中、主人公のオルガがアメリカ人に関する本を読んでいるときに「もっと楽しい本を読めばどうだ」と窘められる件がある。西側に対する憧れと嫌悪感が混じり合っていたんだろう。
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この映画を見る限りでは、収監されてからの1年が彼女の精神面を途方もなく悪化させたように感じた。
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人間関係とその深みがもう少し詳しく描写されていたらもっとよかったかな。そしたらより没入できたと思う。
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視聴後に公式サイトを読んでなるほどと理解する部分が多かった。
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今、「遺伝と平等」という本を読んでいる。大量殺人を犯してしまたオルガとその姉の運命を分けたのは何だったんだろうね。
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複雑な要因がある中で、確実に言えることは姉妹とも両親からそれずれ半分づつの遺伝子を受け継いでいる。しかしながら、受け継いだ遺伝子もあれば受け継がなかった遺伝子もあるわけで、全く同じにはならない。
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一組の親が、遺伝的には他の誰とも異なる子供を作れる数は70兆通りを超えるのだ。
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あなたの両親が交わった結果として生じうるありとあらゆるDNA塩基配列の中から、あなたが他の誰とも異なるあなただけの塩基配列を持って生まれたことは運としかいいようがない。
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つまることろ、遺伝くじのアウトカム(結果)だ。
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話がずれた(笑)
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興味のある方はどうぞー
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