DEATH 「死」とは何か

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DEATH 「死」とは何かを読み終えた。
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著者のシェリー氏はイェール大学の道徳哲学と倫理学が専門家の教授。「死」に特化した講義を20年以上続けているそうで、この授業はとても人気のコースらしい。「死」を哲学を持って深く考察した一冊。
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この日本語版は縮約版で原版の前半部分を大幅に省略しているそうなので、完全なものを読みたい人は英語版を読んだほうがいいと思う。
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自分の携帯電話であるというのはどのようなことなのかと自問したとしよう。答えはもちろんどのようでもない。携帯電話であるというのはこのようであるということが何かあるものの、それが他のあらゆるものと違うというのではない。
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あらゆる災難のうちでも最も恐ろしい死は、私たちにとっては取るに足りないものだ。なぜなら、私たちが存在している限り、死は私たちととものはないからだ。
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[剥奪説] 死の悪い点は、死んだら人生における良いことを享受できなくなる点で、それが最も肝心だ。死が私たちにとって悪いのは、私たちが死んでさえいなければ人生がもたらしてくれただろうものを享受できないからにほかならない。
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快楽主義が間違っているのは、本質的に重要となるのは快感と痛みだけであるとしている点だ。最良の類の人には、快感を手に入れて痛みを避けること以上のものがあるように思える。
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私たちが心配する可能性のあることの一つは死プロセスだ。「死に伴う痛いが恐ろしい」、「死そのものが恐ろしい」、「予想外に早く死ぬかもしれないのが恐ろしい」
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「生きてて良かった」がある以上「死んだほうが良かった」は否定できない。
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もし自殺しなければ生きる価値のない人生を送ることになる見込みが圧倒的に大きい場合、自殺もまた合理的に容認可能な選択だろう。
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もし自殺を合理的な自己利益という観点から評価するなら、特定の状況下では自殺は合理的なものとして正当化できる。死んだほうがましという人生がありうる。自分はそうした状況下にあると信じるのが当然という場合がありうる。
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*以上引用、自分用のメモです
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哲学ベースなこともあって、かなり冗長で回りくどいレトリックが多いので個人的に時間が無い人は第1講から4講までを飛ばして第5講から読み始めてもいいと思う。
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とんちか禅問答みたいなところがあるから(笑)
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ここくらいからエンジンがかかってきて、第7講の「私たちが死ぬまでに考えておくべき、死にまつわる6つの問題」が一番おもしろかった。
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自分は現在40代で、おそらく死ぬのはまだだろうと勝手に思っている。生きているうちに「自分がいつか死ぬ」と理解できるのは人間だけなんだよね。サルの知能を持ってしても30分ほど先の未来しか予測できない。
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「死」はイヤだけど「不死」はもっといやだ。永遠に死ねないのは苦しすぎる。あと読後に強く思ったのは、日本も早く安楽死法を制定してほしいと思う。年を取ってからヨーロッパまで行くのはしんどいわ(笑)
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別に答えがあることじゃないので、気軽に読んで「死」について考えるきっかけになればいいんじゃないかと思う。
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ちなみに、この類の本を読むのはマイケルサンデルの「これからの「正義」の話をしよう」以来だった。
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