ブラック霞が関

読書

「ブラック霞が関」を読み終えた。
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著者は元厚生労働省の官僚で、18年ほど勤めて退官したそうだ。元官僚の人が書いた本は個人的には面白い印象がある。
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1,000人の現役及び退官した官僚本人を対象にとったアンケートによると、回答者の65.6%が年間超過勤務時間上限である720時間を超えていた。1,000時間超えが42.3%、1,500時間超えも14.8%いた(過労死ラインは960時間)
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霞が関では24時間365日対応できることが「フルスペック人材」になっているので、フルタイム勤務・残業なしは実質的には短時間勤務のような立場になってしまう。
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国会での質問通告のタイミングは与野党の申し合わせで原則2日前の正午までに行うこととされているが、その期限が守られることはほとんどなく、前日の夕方から夜にかけて通告されることが多い。
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野党が不祥事などを追求する会議に、回答の権限を与えられていない官僚を出席させて「厳しく追及している姿を国民に見せる」以上の意味があるのかは疑問である。
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OECD加盟国の中で30ヵ国がタブレット端末等の国会での使用を認めているが、日本では未だに認められていない。
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休職した職員の仕事をカバーするために、他の部署から応援を送り込まれることがあるが、その職員がさらに休職するというような惨状だ。
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民間企業と違って、労働基準監督署が監督に来て未払いの残業代の支給を命令することもないのでチェックもされない。
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以上引用です
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感想は・・・過酷な職場だ。
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官僚と言うと漠然と「甘い蜜を吸いながら天下って、交通事故を起こしても無罪放免になる上級国民」のようなステレオタイプなイメージが先行してしまうが、実際はそうでもないようだ。
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日本でおそらく最も優秀な人が集まっているだろう霞が関は、今だに旧態依然の慣習や紙の文化や蔓延っている。特に国会対応と質問主意書の作成の件などはかなり非効率で非生産的だなと。
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残業学
残業学を読み終えた。 . . 残業は「集中」して「感染」して「依存」して「遺伝」する特徴を持っているそうだ。 . ■ . 長期間働くためには、長時間働き続けないようにしなくてはならない。 . 「景気が良いときは残業し、悪いときは残業を減らす」といった形で、人員の代わりに残業時間を調整用のバッファとして活用することで外部状況の変化に対応してきた。 . 最も残...

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マンパワーはそのままで作業量だけが増え続ける。すると休職者が増える一方、求職者が減って人材難となる。

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例えば、閣議決定を決める請議書は「青枠」と呼ばれる青い枠がある特殊な紙に印刷しなければならないそうだ。
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そしてその青枠と文字のスペースが5ミリ以下になるようにする必要があって(たぶん必要は無いが)それ以上だと何度も印刷を繰り返すそうだ。
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まさにブルシットジョブだと思う。
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ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」を読み終えた。 . . 著者は文化人類学者で、この人の本は初めて読んだ。 . ブルシットジョブとは . 「その仕事にあたる本人が、無意味であり、不必要であり、有害であると考える業務から、主要ないし完全に構成された仕事である。それらが消え去ったとしてもなんの影響もないような仕事であり、その仕事に就業している本人が存在しな...

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「アルバイトのお前が言うな」と言われそうだけど(笑)
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官僚に関わらず「雇われ仕事」で、心身を壊してまで働く必要のある仕事は世の中にあるんだろうか。
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著者の自伝的なところもあって題名からは少し逸れるところもある。それでも官僚の一般的な働き方がよく分かる本です。
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興味のある方はどうぞー

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