「店長がバカすぎて」を読み終えた。
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これも読んでみたかった本で文庫化になったので購入。著者の作品は初めてだった。ちなみに文庫版は巻末にボーナストラックが付いている。
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書店の店長という立場でありながら、平気で「本を貸す」などと口にしてしまう精神性に腹が立つ。著者に還元するという意識が決定的に足りていない。
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この手のお客様は、下手に出ればどんどん増長していくものだ。怒ることに酔いしれ、働いていたころに取った杵柄なのか気分良さそうに説教を垂れてくる。喚こうが、叫ぼうが、ないものは探すしかないはずなのに。
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お互いの好きな本の話をしていれば、とりあえず目の前の問題はうっちゃっておけるという持論がある。
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物語の持つ力の一つは「自分じゃない誰かの人生」を追体験できること。他者を想像すること、自分以外の誰かの立場に立つこと。
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私は自問する。こいつはそもそも先生の作品を読んでいるのか?
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どんな理由であったとしても、おもしろいと感じなかった作品を「おもしろかった」とは言わせられない。
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私には本好きは他人の気持ちを想像できる人が多いという持論があります。
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それでも私は本が好きだった。インクの香りが、紙の手触りが、何よりも物語そのものが大好きで、その理由だけで戦えた。
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以上引用です
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感想は・・・めちゃくちゃ良かった!
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フフッ、クスクス、ゲラゲラと終始笑いながら読んでた(笑)
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もうね、自分の中では第二話くらいから「店長がバカすぎて」じゃなくて「店長がうらやましすぎて」にタイトルが差し代わっていた。今度生まれ変わるなら、店長に転生もやぶさかではないなと。
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途中から「もしかして、店長が・・・」とは思っていたけど、ラストはその上を行く結末だった、はー
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人の魅力というのは、お互いの溝が深ければ深いほど、ステレオタイプが大きければ大きいほど、それが反転したときに威力を増すんだろうな。
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本屋と書店員さんの現状は決して楽ではない。長時間労働とそれに見合わない給料、加えてデジタル化で今やクリックアンドモルタル型の店舗がほとんどだ。そういう状況にあることは理解していた。
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そんな厳しい環境の中、主人公の谷原さん、いや谷原京子さんが仕事を辞めようとすると必ず誰かが助けてくれるんだよね(邪魔してくれる?)
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谷原さん、いや谷原京子さんはとても熱い書店員だ。
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全国のこういう素晴らしい書店員さんがこの本を本屋大賞にのし上げたんだろうな。
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あとね、全然関係ないけど昔見た映画で「バカヤロー! 私、怒ってます」を思い出した。理不尽が積み重なってラストで主人公がキレまくるという話で好きだったなー(笑)
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自分も本が大好きだ。ブックゴアーのはしくれだ。
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この本に出会えてとても良かったと思う。
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武蔵野書店よ永遠に!
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コメント