笑うマトリョーシカ

小説

「笑うマトリョーシカ」を読み終えた。
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著者は早見和真さんで「店長がバカすぎて」を読んだことがある。
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店長がバカすぎて
「店長がバカすぎて」を読み終えた。 . . これも読んでみたかった本で文庫化になったので購入。著者の作品は初めてだった。ちなみに文庫版は巻末にボーナストラックが付いている。 . . ■ . . 書店の店長という立場でありながら、平気で「本を貸す」などと口にしてしまう精神性に腹が立つ。著者に還元するという意識が決定的に足りていない。 . . この手のお客様は、...

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*ネタバレします。読みたくない方は閉じてください。

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[生者必滅会者定離] 生きる者は必ず死に、出会ったものは離れることが定め
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当時の大学生の中にはある種の憧れを抱きながら「27歳で死んだ天才たち」の話を口にする者がいた。夭折したから過大評価されているかもしれないという視点を忘れ、無批判に彼らをもて囃す風潮を僕はあまり好きになれなかった。
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「お前には、受け入れがたい話かもしれないけど、ああいう政治家のかみさんさんというのは結構いるもんだし、意外とうまく回っていたりもする。ただ、みんな必ずどこかの段階で頭打ちになるんだよな。夫が成功すると、どういうわけか妻の方が増長してこの成功は自分のおかげだと思い込むようになる。すると、途端にプロデューサーみたいな顔し始めて、旦那の権利とかを主張するようになったりする。で、それをおもしろく思わない夫がチヤホヤしてくれる若い女に走るんだ。これはもう見事にそういうふうにできている」
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友人も作らず、恋愛もせず、ようやくできた家庭すら顧みようとせず。結局、私の人生には清家一郎という人間以上に魅せられたものがなかったのだと思う。
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「政治家というものは・・・いや、優秀な政治家というものはおしなべてペルソナを被っているものです。有権者からどれほど清廉潔白に、あるいうは豪放磊落に見られていたとしても、それは結局そう見せたい自分を演じているだけのこと。被っている仮面をはがしてみたら、まったく違う顔が出てくるなんてことがザラにあります。本人が仮面を被っていることを忘れてしまうくらい、それはもうみんな見事にその役に徹しています」
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中学時代の浩子には不良の真似事をする同級生たちが本当に幼稚に見えた。彼ら、彼女らは等しく他人に期待していた。友人や恋太、部活の仲間やクラスメイトのみならず、大人に対して反発するという行為でさえ、浩子にはその大人への期待の裏返しとしか思えなかった。浩子は自分にしか期待していない。
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以上引用です
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清家一郎のロールモデルは誰だろう?
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与党でありながら立ち位置は保守というよりはリベラル、くわえて親中派なのでギリギリ中道左派くらいだろうか。
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おそらく二階派あたり?そんなことを考えながら読んでいた。
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作者の思い描くサイコパス像、つまるところ「サイコパスの作り方」が興味深かった。
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おそらく、彼はカルトの教祖や詐欺師にも成りえただろう。幼少期から偏った思想の刷り込み、交友関係の厳格管理など受けたにも関わらず、そうはならず政治家を志せたのがまだ救いだったんじゃないかな。
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元を正せば原因は戦争な訳で、彼らもまた犠牲者と言えるかもしれないね。思春期に友人らと見た「砂の器」にも影響を受けたのは間違いない。
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ジェネレーション・ハッスル
「ジェネレーション・ハッスル」を見終わった(全10話) . . 脚本の映画化を持ち掛けるなどして、ハリウッドを夢見る人々を巧みに欺く“詐欺クイーン”。その手口や目的、真の正体とは?若くしてイベント会場の経営者となり、若手起業家として注目を浴びたイアン。だが、ある時から人生の歯車が狂い始めていき(U-NEXTより) . . 感想は・・・見るしかない! . 一言...

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鈴木のように、他人の人生に自らの人生、夢を委ねたいという気持ちは少し分かる。表舞台に立つことなくグルを手懐ける影のフィクサーだ。
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一方で、ある人物 --- 例えばトランプ --- への忠誠心が、法の支配を上回ればその未来にあるのは権威主義じゃないかな。ミイラ取りがミイラになっちゃったみたいな。
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結局清家は失脚しないのかー!(笑)
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物語が進むに連れて、登場人物の相関が複雑になってくるので(特に浩子)メモしながら読むと分かりやすいかな。
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ちなみにTVドラマの清家一郎役は櫻井翔さんのようだ。うわー、めっちゃ合ってる!
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最後にひとつだけ
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「この世で確実と言えるものはない、死と税金以外には」ベンジャミン・フランクリン
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程度の差はあれ誰もが理性という仮面を装って面従腹背し、その時、その人に応じてペルソナを使い分けているものだと思うよ(分人)
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人生は諸行無常で生生流転。
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面白かったです。
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