アルバイトに行くとリーダーに呼ばれた。
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この時間帯にリーダーがいることはめったにない。なんだか神妙な面持ちなので、お菓子やケーキをもらえる感じでは無さそうだ。
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リ 「自分さん、おつかれさまです」
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自 「お、おつかれさまです」
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リ 「実は大学生の子が辞めたんです」
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自 「そ、そうなんですか・・」
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以前入った大学生が辞めたらしい。
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ガラスの十代
アルバイト先に大学生が入ってきた。
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もう1週間ほど一緒に仕事をしている。男性で、第一印象は「おとなしい感じの礼儀正しい若者」といった感じだろうか。
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仕事はOJTさながら、手練手管のおばさまたちから手取り足取り教えてもらっているようだ。メモを取りながら真剣に聞いている。
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真面目な子だ。
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裸体...
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ちょっと驚いた。
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つい先日まで普通に仕事をしていて、他の人達ともうまくやっている感じだったからね。働いていた期間は2か月ほどだろうか。
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[29] ずっと好きだったんだぜ 相変わらず綺麗だな
バックヤードに行くと大体誰かがいて、引継ぎの仕事を教えてくれる。その日もいつも通り気だるさ満点で行くとチワワさんがいた。
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自 「お、おつかれさまです」
チ 「あっ!・・・・・・おつかれさまです」
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チワワさんは自分の顔を一瞬見ると、すぐに目をそらして向こうを振り返って何かをし始めた。いつもは普通に挨拶をしてその日の仕事の引継ぎの話をしてくれる。
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聞いた話しでは、体力的にきつかったようだ。
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確かに重たい物もあるし店中を歩き回る。繁忙期にはツインビーなら両手がもげるくらいの量を運ぶ事もある。体力さえあれば誰でもできる反面、慣れるまでは大変かもしれない。
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それに加えて、少なからずややこしい客もいる。
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もちろん、表向きの理由かもしれないし、本当の気持ちを推し量ることはできないけどね。
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店側からすると、アルバイトといえどそれなりに時間とコストがかかっているので短期間で離職されるのは損失だろう。
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[34] ああ卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう
この日はチワワさんと同じシフトになる最後の日だ。かといって別に何も変わったことがあるはずもなく、いつも通りに指示を受けていつも通りに売り場に出ていつも通りに仕事をこなす。
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自 「お、おつかれさまです」
チ 「おつかれさまです。自分さん、今日はこの作業をして下さい」
自 「は、はい」
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自分はこの日ラストまでのシフトだった。途中で上がるチワワさんが、...
でも もっと哀しい瞬間に涙はとっておきたいの
先日、いつものようにうだつが上がらない顔を引っさげてアルバイトに行くと、薄暗いバックヤードの向こう側からのっそりと二足歩行でやってきたパートの細木さんがおもむろに話しかけてきた。
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細 「ハイリさん異動するみたいよ、知ってる?」
自 「そ、そうなんすか・・・・」
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どうやらハイリさんが他店に異動するようだ、知らな...
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彼はまだ大学生だ、自分に合うアルバイトをまた探せばいいと思う。少しくらい体力が無くてもいいし、恥をかいて失敗してもいい。
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「そりゃあんた、あんたの強みはそんなものを補って余りある若さだよ」(ちびまる子ちゃん風に)
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人生はまだまだ長いのだ。
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やっぱりこの仕事はキツイんだな(笑)
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