「戦争と女の顔」を見終わった(2019年/ロシア)
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1945年、終戦直後のレニングラード。第二次世界大戦により、街は荒廃し建物は取り壊され、市民は心身共にボロボロになっていた。多くの傷病軍人が収容された病院で働く看護師のイーヤは、PTSDを抱えながら働き、パーシュカという子供を育てていたが(U-NEXTより)
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感想は・・・見るしかない。
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想像以上に面白かった。
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舞台は1945年、悲惨な独ソ戦が終わり第二次世界大戦が終結したレニングラードだ。
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ちょうど「同志少女よ、敵を撃て」と重なる部分があるね。視聴後に公式サイトをみると、この小説にも影響を受けたらしい。
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ちなみに、レニングラードは街中が凍死者と餓死者で溢れかえった都市だ。
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主人公のイーヤが時折「わたしは、からっぽよ」と嘆くシーンがある。
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戦場から帰還してPTSDを患っている最中に、病院で戦傷者を安楽死させるのはどんな気分だろう。
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おそらくマーシャはミサンドリー、いやミサンドリーにならざるを得なかったんだろう。極限化で生きのびることを優先した結果とは言えやりきれない。
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そんな悲惨な中でもイーヤとマーシャの絆の強さ、紐帯も感じた。
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おそらく、戦場で命がけで戦った戦友同志にしか分かり合えないものがあるんだろうな。
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少し分からなかったのは、マーシャがニコライ院長へイーヤと関係を持つようにゆすった件で、その弱みはなんだったんだろう?
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安楽死のことなのかな?うーむ・・
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キャストも素晴らしかった。精神疾患を患っているイーヤ、壮絶な境遇を生き抜いてきたマーシャ。俳優さんはそんな「狂った役柄」を上手に演じきっていた、すごい!
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あのサーシャ役の男性は、いしだ壱成さんに似てるなーと。プーチンにも少し似てるかも・・
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最後にこの本「同志少女よ、敵を撃て」から
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イワノフスカヤ村にいたとき、自分は人を殺せないと疑いもなく思っていた。それが今や殺した数を誇っている。そうであれとイリーナが、軍が、国が言う。けれどもそのように行動すればするほど自分はかつての自分から遠ざかる。
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殺される心配もせず、殺す計画も立てず、命令一下無心に殺戮に明け暮れることもない。困難な「日常」という生き方へ戻る過程で多くの者が心に失調をきたした。
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残酷な映画だ。それでも見るしかない。
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