獣の奏者 2王獣編

小説

「獣の奏者 2王獣編」を読み終えた。
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獣の奏者 1闘蛇編
「獣の奏者 1闘蛇編」を読み終えた。 . . 著者は上橋菜穂子さんで、以前「香君」を読んだことがあった。「こちらも面白いよー」と教えていただいたので早速購入。 . . ■ . . もっとつらかったのは、翌朝、針のない蜜蜂が草の上に転がっているのを見たことだった。蜜蜂は人を刺すと死ぬのだと教えられていたけれど、小さな死骸を見た瞬間、それがどういうことなのか初めて心に迫っ...

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「獣の奏者 1闘蛇編」の続きです。

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いつか、リランを見せて驚かそうと思っていたのに。主席で卒舎して褒めてもらおうと思っていたのに。そのとき、わたしを拾い上げて、育ててくださってありがとうと、わたしはあなたに育ててもらって幸せでしたと、言おうと思っていたのに。
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教えていく知識は常に、その時代での真実にすぎないわ。真実であると考えられていたことが、後世の人の発見によって誤りであると分かる。そうやって人の知識は更新されてきた。
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目は細かい葉がゆれるさまを見ていたが、頭の中では心が独楽鼠(こまねずみ)のように走りまわって言い訳を見つけ出していた。自分は、ああせざるを得なかったと思える理由が、いくつもいくつも浮かんでくる。動揺すると、人の心はこうして必死に自分を助けようとするらしい。
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人もまた古い女王を捨てて、ああして群れを分けていく。蜂はただ分かれていくだけだが、人は古い女王を押しつぶさずにはいられないのだ。
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以上引用です
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想像力を限界、それ以上に引っぱり出しくれる。
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前にも書いたけれど、まるで広大なオープンワールドを旅しているような感覚になる。一気に読んでしまった。
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獣と少女のファンタジーでありながら、現実社会の縮図でもあると思う。
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軍(大公)と支配層(真王)の間で不満がくすぶって、軍の中にクーデター(サイ・ガムル)が起こり泥沼の戦争になる、なんてことは世界中で何百年もの間繰り返されている。今で言うならガボンだろうか。
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ハレム 女官と宦官たちの世界
「ハレム 女官と宦官たちの世界」を読み終えた。 . . タイトルからして面白そうだったので購入(笑)著者の本は初めて読んだ。 . . ■ . . ハレムとは、中東・イスラム世界において君主や名士が構える後宮のことである。かるがるしく立ち入ることが許されない区域、たとえばイスラムの聖地にもこの単語が使われる。 . . 伝説の部類ではあるが、旧約聖書に登場するイ...

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そして物語の王族(真王 ヨジェ)は代々女系の王なんだよね。
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つまるところ、娘が生まれないと血筋が途絶えるということだ。
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これも(どちらが優れているというわけじゃなく)男系と女系の問題だ。その政に翻弄される一人、イアンはさりとてプリゴジン、いやリュドミラ・パヴリチェンコだろうか。
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ファンタジーと現実のメタファーにどっぷりと引き込まれた。
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同志少女よ、敵を撃て
「同志少女よ、敵を撃て」を読み終えた。 . . 本屋で ジャケ買い 面白そうだったので購入。アガサ・クリスティー賞受賞作だそうだ。 . . ■ . . 共産主義は未来へのとほうもない脅威なのだ。われわれは軍人の戦友意識を捨てねばならない。共産主義者はこれまでも戦友ではなかったし、これからも戦友ではない。みな殺しの闘争こそが問題となる。われわれは敵を生かしておくことにな...

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文庫本版には巻末に作者の後書きがある。
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それによると2005年に書き始めて翌年の2006年に完成したそうだ。そして物語は闘蛇編と王獣編の2冊で完全に閉じていると。
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それが、NHKのテレビアニメ化をきっかけに、続編となる探求編と完結編を書くことになったらしい。
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王獣編を読み進めていくと最後の章が「終章」になっていたので、「え、もう終わるの?」と戸惑った。そういう経緯だったんだね。
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第8章の「風雲」からストーリーが一気にクライマックスになだれ込んで「ちょっと、ちょっと、まだ心の準備が」みたいな(笑)
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すごい神話
「すごい神話」を読み終えた。 . . 著者は沖田瑞穂さんという方だ。日本語、日本文学の博士でインド神話と比較神話の専門家だそうだ。著者の作品は初めてだった。 . . ■ . . 「世界巨人型」の神話は、原初の巨大な巨人や怪物が、殺害されたり死んだりしてその死体から世界が形づくられたと語っている。世界は死体からできている。そして私たちは、その死体の中で生きているのだ。 ...

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ジョウンの死も、ハルミヤ真王(ヨジェ)の崩御も悲しかったけれど、なんといってもラストのエリンとリランに泣けた。
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うわ~ん!(泣)
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あのシーンは完璧に、頭の中で絵が出来上がっていて華麗に羽ばたいていた。
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自分も一緒に(笑)
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*探求編を読んでます

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